【EC】「都会の会社には敵わない」と言う社長へ
みなさんこんにちは。アートトレーディングの藤井です。
地方のメーカーさんや生産者さんとお話ししていて、いちばんよく聞く言葉があります。
今日は、その言葉に反論させてください。25年見てきた事実と、ここ最近の変化をもとに。
それでは行ってみましょう。
「うちみたいな田舎の会社じゃ、都会の会社には敵わないですよ」
勝てなかったのは、場所の取り合いでした
まず、認めるところから始めます。
これまでは、お金のある会社が有利でした。 これは事実です。
モールの検索結果で上に出るには、広告を買います。広告を買える会社が上に来る。そこに商品の良し悪しは、あまり関係ありません。
棚の場所を、お金で買う。その勝負では、体力のある会社が勝ちます。 当たり前です。
だから「敵わない」という感覚は、間違っていません。ずっと、そういう競技だったからです。

AIには、買える棚がありません
ここからが、今日の本題です。
AIが買い物を手伝う場面が増えています。「予算はこれくらいで、こういう用途に合うものを探して」と頼む。AIが候補を出してくる。
そのとき、AIは何を見て選んでいるか。
商品のデータです。素材、サイズ、使い方、産地、在庫、価格、送料、返品の条件。
広告枠はありません。棚の場所もありません。 スポンサー料を払って上に出してもらう仕組みが、まだ存在しない。
そして最近、調査会社のアナリストがこう指摘していました。
サイトを巡回して情報を拾うやり方では、商品データの全体を取るには足りない
つまり、情報が足りない商品は、選ばれません。 会社の大きさではなく、書いてあるかどうかで決まります。
書けることなら、たくさんあるはずです
大きい会社の商品ページを見たことがありますか。意外と、薄いんです。
扱う点数が多いからです。1点1点に物語を書いている余裕がない。型番と、簡単な仕様と、きれいな写真。それで終わっていることが珍しくありません。
では、地方のつくり手はどうか。
なぜその素材を選んだのか。どこの誰が作っているのか。何年かかって今の形になったのか。どう使うのが一番おいしいのか、使いやすいのか。
全部、答えられるはずです。 毎日やっていることだから。
これまで、それを書く意味があまりありませんでした。読んでもらえなかったからです。検索結果の2ページ目に、物語は届きません。
いま、それを読む相手が現れました。 しかも、その相手は広告費を受け取りません。

ただし、書いていなければ同じです
厳しいことも書きます。
持っているだけでは、何も起きません。 頭の中にある話は、AIには読めません。
商品ページに、素材が書いてありますか。サイズが書いてありますか。誰が作っているか、書いてありますか。
「そんなの、見れば分かる」と思われるかもしれません。AIは見ません。読みます。 書いていないことは、存在しないのと同じです。
ここだけは、大きい会社も小さい会社も関係ありません。書いた会社が選ばれます。
そして、これはお金では解決できない作業です。外から来た人には書けない。作っている人にしか書けないからです。
はじめて、体力ではないところで差がつく場所ができました。
地方であることは、材料です
長く書きました。最後に、これだけ。
私は25年、EC の現場にいます。そのあいだ、「都会の会社には敵わない」と言っていた地方の会社が、売れていくのを何度も見てきました。
共通していたのは、立地でも資本でもありません。自分たちが何を作っているのか、言葉にできていたことです。
地方であることは、弱点ではありません。そこにしかない話があるということです。それは、お金で買えない材料です。
ただ、材料を持っているだけでは料理になりません。書いてください。難しい言葉はいりません。お客様に説明するときの言い方を、そのまま商品ページに入れるだけでいい。
いまは、それが届く時代になりつつあります。
この記事の情報は2026年10月時点のものです。AIの購買まわりは動きが速いので、判断されるときは最新の情報もあわせてご確認ください。
みなさんの商品ページに、つくり手にしか書けないことは、書いてありますか。
それでは、また次回。