【EC】GEO対策、ほとんど要りません

【EC】GEO対策、ほとんど要りません

約5分文・藤井玲(髭男社長)
Shopify脱モールEC×AI

みなさんこんにちは。アートトレーディングの藤井です。

前回は、AIからの送客と、フィードを整える話をしました。今日はその続きで、もう少し踏み込んだところを。

さて、本日は、GEOやLLMOと呼ばれているものについて。

それでは行ってみましょう。

「GEO対策、そろそろやったほうがいいですか?」

正直、よく分かっていませんでした

GEO、LLMO、AEO。この1年で急に増えた言葉です。

正直に書きます。私も最初は、よく分かっていませんでした。

そのうえで、私の立場は前から変わっていません。ECにはやることが山ほどあります。商品ページが埋まっていない、写真が足りない、送料が分かりにくい、問い合わせの返事が遅い。そういう店がSEO対策に時間とお金をかけているなら、先にやることがあるだろう、とずっと思ってきました。

だからGEOという新しい言葉が出てきたときも、また同じことが起きるんじゃないかと身構えていました。

それで今回、ちゃんと調べました。Googleが出している公式のドキュメントを読みにいきました。

結論から言うと、拍子抜けしました。

【EC】GEO対策、ほとんど要りませんの図解1

Googleが「やらなくていい」と5つ挙げています

Googleの公式ガイドに、誤解を解くための章があります。そこにこう書かれていました。

AEO や GEO といった言葉がネット上で一般的になっているが、提案されている「ハック」の多くは効果がないか、Google検索の実際の仕組みに裏付けられていない

そのうえで、無視してよいこととして5つ挙げています。

1つめは、llms.txt のような特別なファイルやマークアップ。Google検索自体がそれらを使っていない、とはっきり書かれています。

2つめは、コンテンツを細かく切り刻むこと。AIが理解しやすいように小さく分ける必要はない。理想的なページの長さというものも存在しない、と。

3つめは、AI向けに書き換えること。AIは同義語や意図を理解するので、専用の書き方は要らない。ロングテールのキーワードを網羅できていなくても心配しなくていい、とあります。

4つめは、不自然な「言及」を集めること。見た目ほど有効ではない、と。

5つめは、構造化データを重く見すぎること。生成AI検索に構造化データは必須ではないし、特別なschema.orgのマークアップも要らない。ただし通常のSEOの一環として続けるのは良い、と添えられています。

日本語で見かけるGEOの記事を思い出してみてください。この5つのどれかを勧めているものが、かなりあるはずです。

SEOは効きます。ただ、順番の話です

ここは誤解のないように書いておきます。

同じガイドに「生成AI検索でもSEOはまだ有効か」という項目があって、答えは「端的に言えば、はい」でした。生成AI機能はGoogle検索のランキングと品質のシステムの上に成り立っているから、と説明されています。

つまり、SEOをちゃんとやれば、結果としてAIにも効きます。ここは私も、そのとおりだと思っています。

私が言い続けているのは、SEOが無効だということではありません。限られた手で、何を先にやるかという話です。

人が2人しかいない店で、月に何十万円かけてSEO会社に外注する。その一方で商品ページの説明が3行しかない。この順番はおかしいんじゃないか、と思っているだけです。

やることが山ほどある中で、いま何に手をかけるか。GEOという新しい言葉が出てきても、その判断は変わりません。

【EC】GEO対策、ほとんど要りませんの図解2

大事なのは、どこでも同じ情報になっていること

では、何が効くのか。

海外のEC専門メディアが、具体的なことを書いていました。

AIは、ひとつの商品について、いろんな場所から情報を集めます。商品名は自社ストアから、価格はGoogleの商品フィードから、細かい仕様はモールの商品ページから、評判は口コミから。ばらばらの場所から拾って、ひとつの答えを作る。

だから、こういうことが起きます。

あるモールでは「ステンレス」と書いてあるのに、別のモールでは「ブラッシュドメタル」と書いてある。AIはどちらが正しいか判断できません。結果どうなるかというと、その商品を出さなくなるか、間違ったほうを出します。

楽天とAmazonと自社サイトを併用している店なら、思い当たるはずです。私も取引先のデータを見ていて、同じ商品の名前が3か所で違う、というのは何度も見てきました。

型番、寸法、素材、重量、価格。これが全部の場所で同じになっているか。古い情報が残っていないか。価格を変えたとき、全部に反映されているか。

派手さのかけらもない話です。でも、ここが効きます。

そして、これがまさに前回書いた「フィードを整える」の中身です。フィードというと難しく聞こえますが、要するに、商品の情報がどこでも同じで、最新である状態のことです。それ以上でも以下でもありません。

ひとつ整理しておくと、Googleは「作った言及は効かない」と言い、専門メディアは「複数の情報源の一致が効く」と言っています。矛盾ではありません。作ったものは効かないが、本物の一致は効く、ということです。

AIにどれだけ出ているか、もう見られます

測る手段も、すでにあります。

Search Console に「生成AIパフォーマンスレポート」というものが追加されました。2026年8月31日に、世界中のすべてのサイトに展開済みです。

AI Overviews と AI Mode で、自分のサイトが何回表示されたか。どのページが多くて、どのページが出ていないか。国別、デバイス別にも見られます。無料です。今日開けば、もう数字が入っているかもしれません。

前回、AI経由のお客様に気づけていない店が多い、と書きました。少なくともGoogle側については、見えるようになりました。

やることは、フィードを整えることだけ

特別なファイルも、AI専用の書き方も、要りませんでした。

やることは、フィードを整えること。これだけです。

商品名、型番、寸法、素材、価格。それが自社サイトでもモールでも同じで、最新で、人が読んで納得できる説明が添えてある。整えるというのは、そういう作業です。新しい技術を覚える話ではありません。

遠回りに見えますが、いちばん近い道だと思っています。

ひとつ注意を。ここまでの「やらなくていい5つ」は、Googleが自社の検索について言っていることです。ChatGPTやCopilotにそのまま当てはまるとは限りません。そちらは前回書いたとおり、Shopify Catalog にきれいなデータを渡すのが道になります。

この記事は2026年9月時点の情報です。動きの速い分野なので、判断するときは公式の最新をご確認ください。

みなさんは、同じ商品の名前を、いくつの場所で管理していますか。全部そろっている自信、ありますか。私は正直、取引先の分を全部は言い切れません。

それでは、また次回。

書いた人

藤井玲(髭男社長)/アートトレーディング株式会社 代表取締役
2001年に自分が楽天へ出店したのが始まりで、ECの現場は25年。支援する側にまわって20年以上、 これまで200社以上のお手伝いをしています。Shopify Plus Partners。制作実績はShopifyだけで150サイトを超えています。 地方のメーカーや生産者のEC事業部として、自社ECの立ち上げから運営まで伴走しています。

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