【EC】GEO対策、ほとんど要りません
みなさんこんにちは。アートトレーディングの藤井です。
前回は、AIからの送客と、フィードを整える話をしました。今日はその続きで、もう少し踏み込んだところを。
さて、本日は、GEOやLLMOと呼ばれているものについて。
それでは行ってみましょう。
「GEO対策、そろそろやったほうがいいですか?」
正直、よく分かっていませんでした
GEO、LLMO、AEO。この1年で急に増えた言葉です。
正直に書きます。私も最初は、よく分かっていませんでした。
そのうえで、私の立場は前から変わっていません。ECにはやることが山ほどあります。商品ページが埋まっていない、写真が足りない、送料が分かりにくい、問い合わせの返事が遅い。そういう店がSEO対策に時間とお金をかけているなら、先にやることがあるだろう、とずっと思ってきました。
だからGEOという新しい言葉が出てきたときも、また同じことが起きるんじゃないかと身構えていました。
それで今回、ちゃんと調べました。Googleが出している公式のドキュメントを読みにいきました。
結論から言うと、拍子抜けしました。

Googleが「やらなくていい」と5つ挙げています
Googleの公式ガイドに、誤解を解くための章があります。そこにこう書かれていました。
AEO や GEO といった言葉がネット上で一般的になっているが、提案されている「ハック」の多くは効果がないか、Google検索の実際の仕組みに裏付けられていない
そのうえで、無視してよいこととして5つ挙げています。
1つめは、llms.txt のような特別なファイルやマークアップ。Google検索自体がそれらを使っていない、とはっきり書かれています。
2つめは、コンテンツを細かく切り刻むこと。AIが理解しやすいように小さく分ける必要はない。理想的なページの長さというものも存在しない、と。
3つめは、AI向けに書き換えること。AIは同義語や意図を理解するので、専用の書き方は要らない。ロングテールのキーワードを網羅できていなくても心配しなくていい、とあります。
4つめは、不自然な「言及」を集めること。見た目ほど有効ではない、と。
5つめは、構造化データを重く見すぎること。生成AI検索に構造化データは必須ではないし、特別なschema.orgのマークアップも要らない。ただし通常のSEOの一環として続けるのは良い、と添えられています。
日本語で見かけるGEOの記事を思い出してみてください。この5つのどれかを勧めているものが、かなりあるはずです。
SEOは効きます。ただ、順番の話です
ここは誤解のないように書いておきます。
同じガイドに「生成AI検索でもSEOはまだ有効か」という項目があって、答えは「端的に言えば、はい」でした。生成AI機能はGoogle検索のランキングと品質のシステムの上に成り立っているから、と説明されています。
つまり、SEOをちゃんとやれば、結果としてAIにも効きます。ここは私も、そのとおりだと思っています。
私が言い続けているのは、SEOが無効だということではありません。限られた手で、何を先にやるかという話です。
人が2人しかいない店で、月に何十万円かけてSEO会社に外注する。その一方で商品ページの説明が3行しかない。この順番はおかしいんじゃないか、と思っているだけです。
やることが山ほどある中で、いま何に手をかけるか。GEOという新しい言葉が出てきても、その判断は変わりません。

大事なのは、どこでも同じ情報になっていること
では、何が効くのか。
海外のEC専門メディアが、具体的なことを書いていました。
AIは、ひとつの商品について、いろんな場所から情報を集めます。商品名は自社ストアから、価格はGoogleの商品フィードから、細かい仕様はモールの商品ページから、評判は口コミから。ばらばらの場所から拾って、ひとつの答えを作る。
だから、こういうことが起きます。
あるモールでは「ステンレス」と書いてあるのに、別のモールでは「ブラッシュドメタル」と書いてある。AIはどちらが正しいか判断できません。結果どうなるかというと、その商品を出さなくなるか、間違ったほうを出します。
楽天とAmazonと自社サイトを併用している店なら、思い当たるはずです。私も取引先のデータを見ていて、同じ商品の名前が3か所で違う、というのは何度も見てきました。
型番、寸法、素材、重量、価格。これが全部の場所で同じになっているか。古い情報が残っていないか。価格を変えたとき、全部に反映されているか。
派手さのかけらもない話です。でも、ここが効きます。
そして、これがまさに前回書いた「フィードを整える」の中身です。フィードというと難しく聞こえますが、要するに、商品の情報がどこでも同じで、最新である状態のことです。それ以上でも以下でもありません。
ひとつ整理しておくと、Googleは「作った言及は効かない」と言い、専門メディアは「複数の情報源の一致が効く」と言っています。矛盾ではありません。作ったものは効かないが、本物の一致は効く、ということです。
AIにどれだけ出ているか、もう見られます
測る手段も、すでにあります。
Search Console に「生成AIパフォーマンスレポート」というものが追加されました。2026年8月31日に、世界中のすべてのサイトに展開済みです。
AI Overviews と AI Mode で、自分のサイトが何回表示されたか。どのページが多くて、どのページが出ていないか。国別、デバイス別にも見られます。無料です。今日開けば、もう数字が入っているかもしれません。
前回、AI経由のお客様に気づけていない店が多い、と書きました。少なくともGoogle側については、見えるようになりました。
やることは、フィードを整えることだけ
特別なファイルも、AI専用の書き方も、要りませんでした。
やることは、フィードを整えること。これだけです。
商品名、型番、寸法、素材、価格。それが自社サイトでもモールでも同じで、最新で、人が読んで納得できる説明が添えてある。整えるというのは、そういう作業です。新しい技術を覚える話ではありません。
遠回りに見えますが、いちばん近い道だと思っています。
ひとつ注意を。ここまでの「やらなくていい5つ」は、Googleが自社の検索について言っていることです。ChatGPTやCopilotにそのまま当てはまるとは限りません。そちらは前回書いたとおり、Shopify Catalog にきれいなデータを渡すのが道になります。
この記事は2026年9月時点の情報です。動きの速い分野なので、判断するときは公式の最新をご確認ください。
みなさんは、同じ商品の名前を、いくつの場所で管理していますか。全部そろっている自信、ありますか。私は正直、取引先の分を全部は言い切れません。
それでは、また次回。