【Shopify】AIが読むのは、説明文ではなく欄です
みなさんこんにちは。アートトレーディングの藤井です。
前回は、GEO対策はほとんど要りません、という話をしました。Googleが「やらなくていい」と5つ挙げている、という話です。
あのとき、ひとつ宿題を残しました。あの5つはGoogle検索についての話で、ChatGPTやCopilotは別。そちらはShopify Catalogにきれいなデータを渡すのが道になる、と。
今日は、その中身です。
それでは行ってみましょう。
「商品説明、けっこう書き込んでるんですけどね」
「こんなのは見れば分かる」が、通じなくなります
これまで商品説明は、人が見るために書いてきました。スペックを並べて、誰向きの商品なのかを伝えて、足りないところは写真が補ってくれる。それで売れてきたので、それが正解でした。
ただ、支援先を回っていると、省略している店をずいぶん見てきました。こんなのは見れば分かるだろう、と。
実際、人が相手なら分かるんです。写真を見れば、男性向けか女性向けかはたいてい伝わる。どんな場面で使うものかも、なんとなく想像がつく。だから省いても困らなかった。
これからは、AIに見せるために書くことになります。
AIは、画像を見ただけでは判断しません。メンズなのかレディースなのか。どんな場面で使うものなのか。人が省略してきたところを、文字にしておく必要があります。
そして、どれも同じような説明で済ませていると、どこにも紹介してもらえなくなるかもしれません。違いが書かれていないものを、勧める理由がないからです。
25年間、読み手は人だけでした。ここに来て、もうひとり増えました。

Shopifyが「文章に隠すな」と書いています
Shopifyの公式ブログに、AIチャネル向けにデータをどう整えるかという記事があります。そこにこう書かれていました。
判断に影響する事実なら、文章の中に隠すのではなく、はっきり定義された欄を与えなさい
続けて、こうも書いてあります。機械は技術的にはその情報を見つけられる。でも、確信を持って動いてはくれない。AIは、推測せずに取り出して信頼できる、構造化されてラベルのついたデータを好む、と。
別の公式記事には、もっとはっきり書いてありました。Shopifyの商品分類とメタフィールドは、商品の詳細を独立した、機械が読める欄として記録できる。だから同じ情報が、ストア内の絞り込みにも、自然検索にも、AIの解釈にも、ひとつの元データから効く、と。
メタフィールドというのは、Shopifyで自分で足せる項目のことです。産地、素材、対応機種、保存方法、賞味期限。標準の欄にないものに名前をつけて、欄として持たせられます。
つまり、こういうことです。「素材:ステンレス」と説明文に書くのと、素材という欄にステンレスと入れるのは、人間には同じに見えて、機械にはまったく違う。
タイトルも、説明も、カテゴリも、差し替えられます
ここからが、あまり知られていないところだと思います。
Shopifyの管理画面に、販売チャネル > Agentic という場所があります。そこの Sources で、AIチャネルに渡す商品タイトル、商品説明、カテゴリの取得元を差し替えられます。
標準の商品タイトルではなく、自分で作ったメタフィールドの値を渡す。説明も、カテゴリも同じように指定できる。バリアントのまとめ方も、メタフィールド基準やタグの接頭辞で決められます。
ストアの見た目は今のまま、AIに渡す顔だけを変えられる、ということです。
ただし、公式には但し書きもありました。すべてのストアで設定はできるが、変更が必要ないことも多い、と。標準どおりに入れてきた店は、そのままで問題ありません。
効くのは、独自の持ち方をしてきた店のほうです。商品名にスラッシュやハイフンで色やサイズを詰め込んでいる。仕様を説明文のHTMLの表に書いている。種類をタグで分けている。心当たりがあるなら、一度見にいく価値があります。

スペックで選ばれる商品ほど、差が出ます
数字も出ています。Shopifyが自社の計測として出した、2026年4月から6月のものです。
AI経由の流入は、前年同期比で197%増。だいたい3倍です。注文も同じく約3倍でした。
ただ、同じ記事にこうも書いてあります。自然検索は12%増。伸び率では負けていますが、母数が大きいので、いまも全AIチャネルの合計より多く送客している。ここは正直に載せておきます。検索を捨てる話ではありません。
面白いのは、その先でした。
商品ページにたどり着いたあとの成約率は、AI経由のほうが自然検索経由より約80%高い。そして、スペックを比べて選ぶようなカテゴリでは、約2倍になっていました。
寸法、対応、素材、規格。そういうものを見比べて決める商品ほど、差が開いている。当たり前といえば当たり前です。比べるための材料が揃っている商品しか、比べてもらえないからです。
もうひとつ、AI経由の流入の50%が、商品ページに直接着地しているとありました。以前、AIから来る人はTOPページを通らないと書きましたが、半分です。
llms.txt のアプリは、要りません
前回の記事の宿題を、もうひとつ回収しておきます。
GEOの記事で、Googleは「llms.txtのような特別なファイルを検索では使っていない」と書いている、という話をしました。
Shopify側はどうなっているか、調べました。
すべてのShopifyストアは、/agents.md と /llms.txt と /llms-full.txt を最初から自動で配信しています。店名、URL、サイトマップ、ポリシー。AIが店の仕組みを知るための情報が、標準で出ている。そして公式ヘルプに、こう明記されていました。これらのファイルを作るのに、サードパーティのアプリは必要ありません、と。
Googleは「使っていない」と言い、Shopifyは「もう出しているから要らない」と言う。両側から、要らないという答えでした。
欄を作るのは無料。大変なのは、埋めるほうです
では、何にお金がかかるのか。
メタフィールドを足すこと自体は、管理画面でできます。アプリは要りません。ここは、はっきり言っておきます。
大変なのは、そのあとです。
商品が500点あったら、500回入力することになります。それを手でやるのは現実的ではありません。それと、せっかく作った欄を、Google Shoppingのフィードに乗せて送るとか、CSVで書き出して外に渡すとか。そういうことをしようとすると、管理画面だけでは足りなくなります。
うちがMatrixifyを使っているのは、そこです。エクセルで一括して取り込み、一括して書き出す。メタフィールドも同じように扱えますし、Google Shopping向けの項目を読んで、その形式で書き出すこともできます。
欄を作るためのアプリではなく、欄を回すためのアプリ、という言い方が近いと思います。売上を上げていくうえでは、必須のアプリだと思っています。
ちなみにメタフィールドは、商品だけのものではありません。お客様にも付けられます。そちらは施策の話になるので、また別の回で。
新しい技術を覚える話ではありません。すでに書いてある情報を、文章の中から欄に移すだけです。地味ですが、ここが今いちばん効きます。
最後に、ひとつだけ。
欄を埋める作業は、突き詰めると、この商品を誰にどう届けたいのかを言葉にする作業です。誠実に、省略せずに、実直に書く。それをやった店のことは、AIがちゃんと拾ってくれる。私はそんな気がしています。
小手先の対策が効かない、というのは、そういうことなんだと思います。
この記事は2026年9月時点の情報です。動きの速い分野なので、判断するときは公式の最新をご確認ください。
みなさんのお店、商品の仕様はどこに書いてありますか。説明文の中ですか、それとも欄ですか。私も取引先の分を、いま順番に見直しているところです。
それでは、また次回。