【EC投資】「売れたら投資する」では、その日は来ない
みなさんこんにちは。アートトレーディングの藤井です。
9月に入りましたが、まだ暑い日が続きますね。気づけばnoteの更新がずいぶん空いてしまいました。書きたいことは溜まる一方なので、また少しずつ出していきます。
さて、本日は、EC事業の投資の順番について。
自分が売る側だった頃から数えて25年、そして支援する側で200社以上を見てきて、いちばん多く出会った「つまずき方」の話です。
それでは行ってみましょう。
「売れるようになったら、ちゃんと投資します」
その言葉、私も言っていました
相談に来られる社長さんから、本当によく聞く言葉です。
まずは無料のカートで始めてみる。広告はまだ出さない。人も増やさない。売れるようになったら、そこから本格的にやります——。
すごくまっとうに聞こえますよね。実際、経営判断としては慎重で正しいように見えます。
正直に言うと、私も同じことを言っていました。楽天の運営で売上が立っていた頃、自社サイトの話になると「今じゃない」「もう少し形になってから」と、いつも先送りにしていました。
でも、その「売れるようになったら」は、いつまで経っても来ませんでした。

広告費10万円を入れるのに、3ヶ月迷いました
自社ECを始めて、最初にぶつかったのが集客でした。
モールにいた頃は、出しておけば人が来ました。自社サイトは違います。こちらから呼びに行かないと、本当に誰も来ない。一日のアクセスが一桁だった日のことは、今でも覚えています。
それで広告を出すことにしたのですが、月10万円を入れる決断に、私は3ヶ月かかりました。今書いていても情けないのですが、事実です。「売上の中から出せる範囲で」と考えると、どうしても手が止まる。
やっと入れてみて、結果は散々でした。思ったほど売れず、「やっぱり捨てたかな」と落ち込みました。
でも、入れたから見えたことがありました。どの商品が反応されないのか。どの言葉が刺さらないのか。入れなければ、ずっとわからないままでした。
広告はコストではなく、検証費です。あの時の10万円は、今でもいい授業料だったと思っています。
そして何より、迷っていた3ヶ月のあいだ、何も起きていなかった。それが一番の損でした。
「売れたら投資する」が、なぜ回らないのか
この3ヶ月で、私はようやく構造に気づきました。
投資をしないと、人は来ません。人が来ないから、売れません。売れないから、投資の判断ができません。そしてまた投資をしない。
ぐるぐる回っているように見えて、実際にはどこにも進んでいないんです。
しかも厄介なことに、この輪の中にいると「うちの商品はECに向いていないのかもしれない」という結論に行き着きやすい。商品のせいでも、市場のせいでもなく、ただ検証できる状態を作っていないだけなのに。
無料のカートで、広告費ゼロで、片手間の担当者ひとり。この条件で結果が出なかったとして、それは何を証明したことになるでしょうか。私は、何も証明していないと思います。

順番を、逆にする
投資が先で、利益は後。
この言葉を、私は先輩の経営者に言われました。最初は信じられませんでした。逆だろう、順番が違う、と思っていました。
でも今は、はっきりわかります。売上の中から捻出できる分だけを投じている限り、今年と同じ来年しか来ません。
誤解のないように書いておくと、最初から大きな箱を作れという話ではありません。私がShopifyをおすすめするのも、小さく始めて大きく育てられるからです。始めることは小さくていい。
小さくしてはいけないのは、決めることのほうです。
いくらを、いつまで、何を確かめるために使うのか。それを先に決めてしまう。決めてから始めれば、結果が悪くても「次はここを変えよう」と進めます。決めずに始めると、結果が悪かった時に「やめよう」しか残りません。
投資のない事業に、成長はありません
厳しい言い方に聞こえたら申し訳ないのですが、200社以上を見てきて、これだけは例外がありませんでした。
伸びている会社は、売れる前に投資しています。順番が逆なのではなく、それが正しい順番なんだと思います。
私も、まだ迷うことがあります。毎回これでいいのかと考えます。だから偉そうなことは言えません。
ただ、あの3ヶ月に戻れるなら、自分にこう言いたい。迷っている間も、時間だけは同じだけ過ぎているぞ、と。
みなさんはいま、何に投資するかどうかで迷っていますか。よかったら教えてください。
それでは、また次回。