楽天広告事業とは？種類や掲載にかかる費用まで含めて徹底解説！

監修者

藤井玲

アートトレーディング株式会社代表取締役。
2002年に楽天市場へ出店したことをきっかけに、EC支援サービスの提供をスタート。累計１５０社以上のサイト制作、運営経験を持つ。

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楽天広告事業とは？

楽天広告事業とは、楽天市場内に出品した商品に広告をつけることのできるサービスです。楽天広告を利用することで、自身のショップへの集客率を高めることができます。
楽天広告の最大のメリットは楽天市場を利用している顧客の購買データを元にした広告の掲載が可能であるという点です。
これによって、自身の商品に興味を持つであろう見込み顧客へのリーチを可能にします。

楽天広告には種類がある？それぞれの違いとは？

楽天広告には、大きく分けて3つの種類があります。それぞれの広告によって掲載方法や掲載場所、掲載にかかる費用が異なります。
以下では楽天広告の種類について、その特徴とともにご紹介いたします。

掲載系広告

掲載系広告とは多くのユーザーの目に止まる場所に掲載される広告のことで、楽天のトップページやジャンルトップページ、特集などに掲載されます。
掲載系広告は商品を広告として掲載するだけでは料金はかからず、ユーザーがその広告をクリッすると掲載料が課金されるシステムになっています。

メルマガ配信広告

メルマガ配信広告は楽天市場のユーザーに直接配信されるメールマガジンの中にバナー広告として掲載される広告です。メルマガ配信広告は、掲載系広告と同時に利用されることが多いです。
メルマガ配信広告のメリットは、自身の商品と関連性の高いジャンルに興味を持っているユーザーに、ダイレクトにリーチすることができる点です。

成果報酬型広告

成果報酬型広告は広告のクリックやクーポンの取得、商品購入など、成果に応じて費用が発生する形態の広告です。成果が出た場合にのみ広告の掲載費用が発生するので、広告に割く資金がない方や、広告運用初心者の方におすすめの広告形態です。
ここでご紹介した3つの楽天広告は、さらに6つの広告形態に分けることができます。
以下の章では、細かい楽天広告の種類について詳しく解説していきます。

【楽天の掲載系広告】種類・掲載にかかる費用とは？

掲載系広告には以下の2種類があります。

ここからは、それぞれの広告の特徴や掲載にかかる費用などをご紹介していきます。

楽天市場広告

楽天市場広告（掲載型広告）は、楽天市場のトップページやジャンルトップ、特集ページなどに商品・ブランドを掲載し、幅広いユーザーにアプローチできる広告手法です。特定のターゲットに絞るというよりは、商品の認知度・ブランド露出を高める目的で利用されます。

楽天のトップページは楽天会員が最初にアクセスする導線であり、ここに広告を出すことで多数のユーザーと接触する機会を得られます。そのため、新商品の露出やセール時の流入強化などに適しています。

掲載枠と効果の特徴

楽天市場広告には、以下のような掲載面が存在します。

• トップページ（楽天市場のメインビジュアルやバナー枠）
• ジャンルトップページ（カテゴリ別のトップ画面）
• 特集ページ（季節・イベント・スーパーセール関連など）

掲載位置は、広告枠の種類・入札金額・販売実績などによって変動します。上位枠ほど露出が高くクリック率も上がりますが、競争が激しく費用も高くなる傾向があります。

費用の目安（2025年時点）

掲載費用は約4万円〜120万円前後が一般的なレンジです。
ただし、楽天スーパーセール・お買い物マラソン・ブラックフライデーなどの繁忙期には、枠単価が通常の1.5〜2倍程度に上昇するケースもあります。

費用は掲載位置・期間・季節によって変動し、特にトップページ最上部のバナー枠などは50万円〜100万円を超える出稿例も確認されています。

広告効果と注意点

楽天市場広告は幅広い層へのリーチが強みである一方、ターゲティング精度が限定的なため、費用対効果を最大化するには工夫が必要です。

• 広告枠の選定と掲載タイミングの最適化
• 商品ページやサムネイルの訴求力向上
• クーポン・ポイント施策との併用

これらを組み合わせることで、クリックから購買までのコンバージョン率を高めることができます。特にRPP広告（検索連動型）やCPA広告（成果報酬型）などと併用運用することで、費用対効果の安定化を図る企業が増えています。

特別大型広告

特別大型広告は、広告掲載費が非常に高額になる傾向があるため、広告運用の予算に余裕があり、過去に売上や広告実績のある店舗向けの広告形態です。
楽天市場内の露出を最大化し、スーパーセールや大型キャンペーンの主力枠として扱われることが多く、ブランド力・販売力を兼ね備えた店舗ほど活用しやすいと言われています。

この特別大型企画には、「大口予算枠」と「超目玉枠」の2種類が存在します。

大口予算枠

大口予算枠は、楽天スーパーセールやお買い物マラソンなどのキャンペーン期間中に設けられる上位広告枠です。
この枠は、200万円（2,000,000円）以上の広告枠をまとめて購入できる店舗のみが対象とされるケースが多く、高い販売実績と広告予算を持つ店舗が優先されます。

ただし、この「200万円」という金額は固定ではなく、あくまで業界での目安金額です。実際の出稿条件は楽天側の審査・キャンペーン規模・出稿枠数によって変動します。
また、申請できる店舗であっても、競合との広告順位や実績次第で掲載位置が変動するため、出稿前の戦略設計が重要になります。

超目玉枠

超目玉枠は、楽天が主催する大型イベント（例：楽天スーパーセールなど）において、一定の条件を満たした協賛店舗に提供される特別枠です。
この枠の最大の特徴は、広告掲載費が一切かからず「無料」で掲載される点にあります。

ただし、無料で掲載されるためには楽天が提示する条件を満たす必要があります。

• 50％オフ以上など、一定の割引条件を実施していること
• 在庫数量や出荷対応体制が十分であること
• イベント企画への協力姿勢があること

これらを満たした店舗に対し、楽天市場側から「無料掲載オファー」が届くことがあります。
店舗が条件をクリアすると、広告枠に無料で掲載され、アクセス数や売上が急増するケースもあります。
ただし、全ての店舗が対象になるわけではなく、楽天側の選定・審査を経て掲載が決定する点には注意が必要です。

【楽天のメルマガ配信系広告】種類・掲載料とは？

メルマガ配信系広告は、別名「おすすめニュース広告」と呼ばれるものです。この広告は、楽天市場からユーザーに配信されるメールマガジンに掲載されます。
潜在的なニーズを持った特定の層にリーチすることができるという特徴を持つメルマガ配信系広告は、幅広い層にユーザーに見てもらえるという特徴を持つ掲載系広告と併用されることが多いです。
メルマガ配信系広告には、以下の2種類があります。

ここからは、それぞれの広告の特徴や掲載にかかる費用などをご紹介していきます。

楽天配信

楽天配信は、楽天の購買データや閲覧履歴をもとにユーザーの興味関心を分析し、最適な商品をおすすめとして配信する広告形態です。
楽天が保有するビッグデータを活用し、ユーザーごとに「購入見込みが高い」と判断された商品を選び、メールマガジン形式で広告を自動配信します。

この広告を活用している複数の店舗の中から、楽天側がユーザー属性に合わせて商品を選定し、楽天公式のメルマガとして配信するため、ユーザーとの接触精度が高いのが特徴です。

課金方式と費用

楽天配信はクリック課金型（CPC型）の広告です。
あらかじめ月間予算を設定し、ユーザーが広告をクリックした時点で課金される仕組みになっています。

多くの解説で、月間予算は5,000円から設定可能とされており、少額からスタートできるのが魅力です。
さらに、設定した月間予算を超過しても課金が発生しないため、予算オーバーによるコストリスクがない点が運用上の安心要素となっています。

ただし、早期にクリック数が増えると予算が消化され、配信が途中で止まる可能性もあるため、予算設定は慎重に行う必要があります。

メール配信の仕組み

楽天配信は、楽天市場が運営するメールマガジン内に広告枠を設け、楽天側が自動的に広告文面を生成・配信する仕組みです。
そのため、店舗側がメール本文を作成する必要はなく、手間なく広告配信を始められる点がメリットです。

ただし、広告掲載の形式や配信頻度は、契約している広告枠の種類・配信対象カテゴリによって異なるため、事前に楽天の担当部門または広告代理店を通して確認しておくのが望ましいです。

楽天配信を活用するメリット

• 楽天の購買データに基づく高精度なターゲティング配信が可能
• 少額（5,000円～）からスタートできるため、初期リスクが低い
• クリック課金型のため、広告がクリックされなければ費用が発生しない
• 自動配信で運用負担が少なく、初心者でも始めやすい

これらの特性から、楽天配信は新規顧客獲得やリピート促進にも効果的で、RPP広告やディスプレイ広告と併用することで、総合的な販促効果を高めることができます。

店舗配信

店舗配信は、自店舗で商品を購入した既存ユーザーに対して、フォローアップや再購入を促す目的で行うメール広告です。
楽天市場のシステムを利用し、既存顧客の購買データを活用した再販促進施策として位置づけられています。

新規獲得よりも、顧客ロイヤリティの強化・LTV（顧客生涯価値）の向上を目的とするケースが多く、「取りこぼし防止」や「再購入促進」に非常に効果的な広告手段です。

メール配信の仕組み

店舗配信では、ユーザーへのアプローチにメールを使用します。
メール本文は店舗側で作成し、楽天市場が配信を代行します。
そのため、楽天のシステムを通して自動的に送信されるため、個別対応の手間が不要です。

ただし、配信方式は広告枠や契約形態によって異なり、楽天が自動生成・編集を行う場合もあるため、配信仕様は事前に確認しておく必要があります。

費用と課金方式

店舗配信の課金方式は、クリック課金型（CPC型）です。
広告がクリックされるごとに費用が発生し、クリックされなければ費用はかかりません。

また、月間予算を30,000円から設定できるとされており、少額から始められるのが特徴です。
ただし、「月額制」という言い方は誤解を招きやすく、正確には「月間の上限予算を設定し、その範囲内でクリック課金される形式」です。

予算を超えたクリックによる課金は発生しないため、コスト管理がしやすくリスクが低い点が評価されています。

店舗配信のメリット

• 既存顧客へのリマインド効果でリピート率を向上できる
• クリック課金型で費用対効果が明確
• 自動配信システムにより、手間をかけずに再販促が可能
• 月3万円からの予算設定で、小規模店舗でも導入しやすい

特に、RPP広告や楽天配信（おすすめニュース広告）と組み合わせることで、新規・既存双方へのバランスの取れた集客戦略が構築できます。

【楽天の成果報酬型広告】種類・掲載にかかる費用とは？

成果報酬型広告には、以下の3種類があります。

ここからは、それぞれの広告の特徴や掲載にかかる費用などをご紹介していきます。

RPP広告

RPP広告は、楽天市場の検索結果ページに表示される検索連動型広告です。
ユーザーが検索したキーワードと関連性の高い商品を、楽天市場のシステムが自動で選定して表示します。
楽天市場内の検索結果や商品一覧ページに広告として掲載され、楽天内の「リスティング広告」的な役割を担っています。

検索結果における上位表示を狙うことができ、新規顧客の獲得や商品の露出強化に最適な広告形式です。

仕組みと表示の特徴

RPP広告では、ユーザーが検索したキーワードと一致・関連性のある商品情報をもとに、商品名・キャッチコピー・商品説明などを楽天のシステムが自動的に参照し、最適な商品を表示します。

店舗は、入札キーワードの設定や入札単価（CPC）の調整を行うことで、広告の掲載順位をコントロールできます。
また、入札額 × 商品の関連性 × CTR（クリック率）といった複合評価で掲載順位が決定するため、ページ最適化・SEO的設計も重要になります。

費用と課金方式

RPP広告は、クリック課金型（CPC型）の広告です。
広告がクリックされたタイミングで費用が発生し、クリックされなければ課金されません。

多くの解説で、月間予算（上限）を5,000円から設定可能とされており、少額から運用を始められるのが特徴です。
ただし、「月額制」というよりも、設定した月間上限予算の範囲内でクリック課金される形式である点に注意が必要です。

予算を超えて課金されることはなく、予算内で確実に費用コントロールできる安全設計になっています。

RPP広告運用のポイント

• キーワード選定と入札調整で上位表示を狙う
• 商品タイトル・説明文の最適化により関連性スコアを向上
• クリック率（CTR）とコンバージョン率（CVR）を改善し、広告効率を最大化
• SEO・広告運用の知識を組み合わせて運用精度を高める

特に、商品ページのSEO最適化がRPP広告の成果に直結するため、
タイトルやディスクリプション、レビュー数、在庫状況などの商品データ精度を高めることが重要です。

楽天CPA広告

楽天CPA広告は、ユーザーが広告をクリックしてから720時間（30日）以内に発生した売上に対して費用が発生する成果報酬型の広告です。
CPAとはCost Per Action（アクション単価）の略で、ユーザーが実際に商品を購入するなど、一定の成果を達成した時点で課金が行われます。

クリック課金ではなく、購入という「成果」に応じて報酬が発生するため、費用対効果が明確で、広告予算の無駄を抑えられる点が特徴です。

仕組みと課金ルール

楽天CPA広告では、ユーザーが広告をクリックしてから720時間（30日）以内に購入した商品が成果対象となります。
このとき、購入金額に対して20％前後の広告費（成果報酬）が発生します。

例えば、広告クリック後にユーザーが1万円分の商品を購入した場合、約2,000円の広告費が課金される仕組みです。
また、クリック後に同じ店舗で購入されたすべての商品が成果対象となるため、広告に掲載されていない商品も課金の対象になるケースがあります。

そのため、利益率の低い商品や広告対象外にしたい商品は「除外商品設定」を行うことが重要です。

特徴とメリット

楽天CPA広告は、他の広告形態（RPP広告・掲載型広告など）と比較して、設定が簡単で導入しやすいのが特徴です。
キーワード設定や入札単価の管理が不要なため、広告初心者でも運用を始めやすく、成果発生時のみ費用が発生するため、費用対効果が明確です。

また、楽天側のシステムが自動で広告を配信するため、運用負荷が低く、店舗運営に集中しながら集客を強化できる点もメリットです。

注意点と運用のコツ

楽天CPA広告を運用する際は、以下の点に注意が必要です。

• すべての商品が広告対象になるため、除外設定を必ず行う
• 予算上限を設定できないため、成果発生状況に応じて費用が変動する
• 成果報酬率（例：20％）は固定ではなく、キャンペーン内容やカテゴリで変わる場合がある
• 配信面や掲載位置は楽天のアルゴリズムにより自動決定される

特に、「利益率の低い商品」や「在庫が少ない商品」を広告対象から除外することは、広告費の無駄を防ぐための重要なポイントです。

クーポンアドバンス広告

クーポンアドバンス広告は、楽天市場が提供する「パーソナライズ型クーポン付き露出広告」で、ユーザーの購買履歴・閲覧履歴・興味関心データなどをもとに、購入意欲の高いユーザーへ自動的にクーポンを配信する仕組みです。

店舗側は対象商品と月予算を設定するだけで、楽天のシステムが自動的に最適な値引率を算出し、クーポンを発行・広告表示します。
クーポンを活用することで、ユーザーに「お得感」を訴求し、クリック率や購入率の向上を狙える広告形式です。

仕組みと配信の流れ

店舗は、広告対象の商品とクーポンの値引き条件（または値引き上限予算）を設定します。
その後、楽天がAIを活用して最適な値引き額を予測し、クーポンを発行します。

クーポン情報は広告として楽天市場内に掲載され、購買意欲の高いユーザーに対してピンポイントで配信されます。
ユーザーがクーポンをクリック・獲得したタイミングで課金が発生するため、無駄な広告費を抑えながら集客が可能です。

課金方式と費用

クーポンアドバンス広告は、成果報酬型（クリック課金型）の広告です。
広告が表示されただけでは費用は発生せず、ユーザーがクーポンをクリックまたは取得した時点で課金されます。

一般的な課金単価は1クーポンあたり約40円前後が目安とされていますが、実際の単価は25〜1,000円の範囲で店舗側が設定可能です。
また、月間予算を5,000円から設定できるため、少額からテスト出稿を始めることも可能です。

ただし、クーポンの割引額そのもの（値引き分）は店舗の負担となる点に注意が必要です。
広告費とは別に、クーポン利用時の割引コストが発生します。

メリットと運用のポイント

クーポンアドバンス広告の最大の特徴は、購入意欲の高い層に自動でクーポンを配信できることです。
これにより、購買転換率（CVR）の向上やカゴ落ち防止など、即効性のある販売促進が可能になります。

• 広告表示では費用が発生しないため、効率的な予算運用が可能
• クリック課金型で費用対効果を明確に把握できる
• AIによる自動最適化で高いパフォーマンスを実現
• 月5,000円から始められるため、小規模店舗でも導入しやすい

運用時には、利益率や在庫状況を考慮したクーポン設定を行うことが重要です。
また、クリック単価（CPC）と値引き額のバランスを定期的に見直すことで、無駄のない広告運用が可能になります。

楽天広告運用におすすめのシステム

ここでは楽天広告運用におすすめのシステムを紹介してきます。

ECPRO

楽天市場でのRPP広告運用を効率化したい方におすすめなのが、AI搭載の広告運用ツール「ECPRO」です。

目標ROASを設定するだけで、AIがCPCを自動調整し、広告効果を最大化。掲載枠ごとの目安CPCや、キーワードごとの効果測定が一覧で確認できるため、これまで手間だったレポート作成の時間も削減可能です。

さらに、広告グループ単位での調整、自動除外設定、更新予約機能、日予算上限設定など多彩な機能を搭載。人手に頼っていた広告管理業務を80%削減し、EC運営業務に集中できます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では、楽天広告についてご紹介致しました。
楽天広告には複数の種類があります。それぞれの広告形態の掲載にかかる費用や、いつ課金されるのか、広告の掲載の形式は広告の種類によって異なります。
どの楽天広告を利用するかは、自身のショップの売上から広告運用に割ける費用を計算しつつ、慎重に検討していく必要があります。
この記事がECサイトを運営する際に参考になれば幸いです。

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