物流の検品作業とは?現場での課題や効率化する方法も解説!
物流の検品とは?どんな作業をするの?と気になっていませんか。
物流の検品作業とは、「商品の種類や品数に誤りがないか(数量検品)」「商品に欠陥がないか(不良検品)」を確認する作業のこと。検品作業のタイミングは、主に商品の入荷時と出荷時です。
また検品作業の中でも取り扱う商品によっては、食品に異物が混入していないか確認する「混入検品」や商品がきちんと作動するか確認する「作動検品」を行う場合もあります。
この記事では、他にも「物流現場で検品作業が必要な理由」や「物流現場での検品作業の課題」「物流現場で検品作業を効率化するための方法」なども紹介しています。ぜひ参考にしてくださいね。
目次
01.物流の検品作業とは?02.物流で検品作業を行うタイミング03.物流での検品作業の種類04.物流現場で検品作業が必要な理由05.物流現場での検品作業の課題とは?06.物流現場で検品作業を効率化するための方法07.物流の検品作業を外部に依頼するメリット・デメリット08.物流の検品作業を依頼するのにおすすめの代行会社3選まとめ
物流の検品作業とは?
物流の検品作業とは、商品の数や種類が間違っていないかを検査する作業のこと。また商品に破損などの欠陥はないかを確認する場合もあります。
検品をしっかり行わないと、
・在庫数の不一致が起きてしまう
・欠陥商品がお客様の元に届く
などのリスクがあるため、物流の中でも重要な作業の1つということを覚えておきましょう。
物流で検品作業を行うタイミング
物流現場では、検品作業を以下2つのタイミングに行います。
・商品を入荷した時
・商品を出荷する時
それぞれ見ていきましょう。
商品を入荷した時
物流現場では、まず商品を入荷した時に検品作業を行います。これを一般的に『入荷検品』と言います。
入荷検品は、保管する商品が倉庫に届いたタイミング、つまり入荷するタイミングで行われます。
具体的な作業内容は、以下の通り。
・納品書に記載された商品の種類や数が届いた商品と一致しているかを確認
・届いた商品の外箱に破損がないかを確認
なお、倉庫内で倉庫管理システムなどを利用している場合は、バーコードでスキャンすることで、商品の種類や数をチェックしていきます。
商品を出荷する時
次に物流現場で検品作業が行われるタイミングは、商品の出荷時です。これを一般的に『出荷検品』と言います。
出荷検品は、物流倉庫内からピッキングされた商品を出荷するタイミングで行います。
具体的な作業内容は、
・ピッキングされた商品と注文書の内容が合っているかの確認
・梱包する前に商品に傷がついていないかのチェック
といったことになります。
物流での検品作業の種類
物流での検品作業は、取り扱う商品の種類によって、行う検品作業の種類が異なります。
例えば、雑貨やアパレルなどの商品を扱う場合は「数量検品」や「不良検品」を行うことが一般的です。
また特殊な例として、食料品などの商品を扱う倉庫では、「混入検品」。電子機器を扱う倉庫では「作動検品」などを行うことを頭に入れておきましょう。
ここから詳しく解説していきます。
数量検品
数量検品とは、商品の品目と数量に間違いがないかチェックをする基本の検品作業のことです。
発注した商品を入荷する際、また注文があった商品を出荷する際に、伝票と照らし合わせて、入出庫の数を確認し、漏れを防ぐために行います。
この数量検品は、どんな商品を取り扱う場合でも必ず実施する検品作業ということを覚えておきましょう。
不良検品
不良検品とは、商品に傷や汚れがないかを確かめるために行う作業です。
もし商品に汚れがある場合は、できる範囲で取り除くなどの対応を。お客様に届けられないほど劣化している商品は、不良品として仕分けていきます。
例えばアパレルなどの商品であれば、出荷する前に、服が破れていないかを確かめたり、アクセサリーなどの場合は、商品が壊れていないかをチェックしていくことが一般的です。
混入検品
混入検品は、主に食料品を扱う物流倉庫で行われます。
混入検品では、食料品の中に異物が入り込んでいないかをチェックします。もし異物が混入している場合、その商品は破棄されることもあります。
チェック方法は以下の通り。
・商品の封をあげずに中身を確認できる機械を通してチェックする
・作業者が目視でチェックする
食料品を取り扱っているほとんどの会社では、チェックするための機械が導入されているので、目視とのダブルチェックを行うのが一般的と言えるでしょう。
作動検品
作動検品は、主に電子機器の商品を取り扱っている倉庫で行われます。
作動検品では、商品の電子機器がきちんと作動するかをチェックしていくため、商品の蓋を開けて、中の商品を実際に使っていきます。
電池やバッテリーが必要な商品の場合は、実際に電池を入れて、作動するかを試すこともあります。
物流現場で検品作業が必要な理由
物流現場で検品作業は、なぜ必要なのでしょうか。
その理由は、以下の通りです。
・在庫切れ、過剰在庫を防ぐため
・不良品の発送を防ぐため
それぞれ詳しく見ていきましょう。
在庫切れ・過剰在庫を防くため
物流現場で検品作業が必要な1つ目の理由は、在庫切れ・過剰在庫を防ぐためになります。
というのも、倉庫へ荷物が入荷される際、どの商品がどれだけの数量、入庫されているのかを検品作業で明確にしなければ、正しい在庫数を記録しておくことができないから。
正しい商品の在庫数が記録されていなければ、「お客様が商品を注文した後に在庫数が足りないと気付く」事態になったり、「必要以上の数の在庫を持ち、長く保管することで商品の品質が低下してしまう」という事態も起きかねません。
検品作業を怠って在庫数をあいまいにすると、結果としてお客様からの信頼を失うということに繋がってしまうのです。
そのため、検品作業は必ず行う必要があると言えるでしょう。
不良品の発送を防ぐため
物流現場で検品作業が必要な2つ目の理由は、不良品の発送を防ぐためになります。
なぜなら、商品を出荷する前に検品作業で商品に不備がないかをチェックしなければ、間違って不良品をお客様の元へ届けてしまう可能性があるから。
例えばアパレル商品などの場合、商品の製造工程や商品を保管している間に服に穴が開いてしまっていたということはまれに起きてしまいます。それを最終チェックせずに、お客様の元に届けてしまうと、お客様の信頼を失うことになりますし、返品交換などの業務も追加で対応しなければなりません。
顧客満足度を下げないためにも、無駄な対応を増やさないためにも、出荷前の検品作業は必ず行わなければなりません。
物流現場での検品作業の課題とは?
物流現場での検品作業の課題は、以下になります。
・ヒューマンエラーの発生
・人件費、採用コストがかかる
それぞれ見ていきましょう。
ヒューマンエラーの発生
物流現場での検品作業の1つ目の課題は、ヒューマンエラーの発生があるということです。
検品作業は、人が在庫の数を直接数えてシステムに登録したり、商品に欠陥がないか目視でチェックして行う作業です。そのため、どうしてもミスや間違いを起こしてしまう場合があるということを覚えておきましょう。
ヒューマンエラーを発生させないためには、チェックする人員の数を増やしてダブルチェック方式にするという方法もあります。しかし、そうすると次に解説する人件費が膨大にかかるという問題が発生してしまうので、バランスを見て人員を調整するのが良いでしょう。
人件費・採用コストがかかる
物流現場での検品作業の2つ目の課題は、人件費・採用コストがかかるということになります。
前述した通り、検品作業のヒューマンエラーを防ぐためには、人員を充実させて少しでもミスを減らすということが重要です。
しかし、人員を充実させるためには、採用活動を行うための求人広告を出したり、転職エージェントを活用したりと採用のコストが掛かります。しかも現在は、人材業界が売り手市場となっているので、通常よりも採用コストがかかってしまいます。
また精度の高い検品作業を行うために多くの人材を雇うと、その分人件費が高額になってしまうということも頭に入れておきましょう。
物流現場で検品作業を効率化するための方法
物流現場で検品作業の効率化を行うためには、以下の方法がおすすめです。
・倉庫管理システムを使う
・RFIDを使う
・代行会社に依頼する
それぞれ見ていきましょう。
倉庫管理システムを使う
物流現場で検品作業の効率化を行うためには、倉庫管理システムを使うのがおすすめです。
倉庫管理システムとは、倉庫内の在庫を管理するシステムのこと。
倉庫管理システムを導入すれば、商品の入出庫や在庫情報などをハンディスキャナーやバーコードを使って管理することが可能です。商品一つ一つをバーコードでスキャンするだけで、正しい在庫情報をシステム上に記録することができるので、目視や在庫管理表に手入力で記録するよりもヒューマンエラーが起きづらいという特徴があります。
またアナログで検品作業を行うよりも、効率的に作業を行うことができるので、作業時間の短縮につながるというメリットがあることも覚えておきましょう。
RFIDを使う
物流現場で検品作業の効率化を行うためには、RFIDを使うという方法もおすすめです。
RFIDとは、電波を用いて情報を読み書きするシステムのこと。
RFIDでは、倉庫管理システムのようにバーコードやスキャナーを使わなくても、遠隔で商品の在庫情報を管理することが可能です。また入荷された箱を開封することなく、一括読み取りすることができるので、検品作業の効率化にはもってこいのシステムと言えるでしょう。
RFIDを導入すれば、検品作業の効率化を図ることができる上に、ヒューマンエラーを防ぐことも可能です。検品作業のダブルチェックも不要となるので、人件費の削減にもつながる画期的なシステムだと言えるでしょう。
代行会社に依頼する
検品作業の効率化を行うために、物流代行会社に業務を依頼するのもおすすめです。
というのも、精度の高い検品作業を行うためには、十分な人材の確保や設備投資などに多額の費用がかかってしまうから。
そこまで高額な費用を負担できないという企業の場合は、思い切って外部の物流代行会社に依頼した方が、コストが安く済みますし、商品の繁忙期と閑散期に合わせて人員を調整する必要もありません。
またプロの業者に依頼すれば、検品ミスなどを起こすことがないので、お客様の信頼を落とす心配もなく安心ですよ。
物流の検品作業を外部に依頼するメリット・デメリット
ここでは物流の検品作業を外部に依頼するメリットとデメリットを紹介していきます。
メリット
まず物流の検品作業を外部に依頼するメリットとして「作業ミスの軽減」「人件費・設備投資費の削減」につながることが挙げられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
◆作業ミスの軽減
物流の検品作業を外部に依頼すると、作業ミスが軽減されるというメリットがあります。
というのも、外部の物流代行会社では、物流の作業のミスが起きないように倉庫内に潤沢な人材が確保されているから。また、システムの導入や設備にも費用をかけていて、ヒューマンエラーがほとんど起こらない環境づくりが徹底されています。
そのため、自社内のギリギリの人員で検品作業を行うよりも、確実に作業ミスを防ぐことができるでしょう。
◆人件費・設備投資費の削減
物流の検品作業を外部に依頼すると、人件費や設備投資の削減につながるというメリットもあります。
もし物流の検品作業を自社内で行っていく場合、まず作業を行う人材を確保するために採用費と人件費がかかります。
また作業するための倉庫を借りる必要もありますし、検品のヒューマンエラーをなくすためには、倉庫管理システムの導入を検討しなければなりません。
自社で物流を行うということは、それだけで膨大な費用になってしまうということがお分かりいただけるでしょう。
しかし、物流の作業を外部に依頼してしまえば、支払う費用は「保管費+発送した分の費用」のみ。
「商品の発送がそこまで多くないけれど、今の人員では対応がギリギリ」という場合は、物流代行に依頼した方が、かなりのコスト削減になりますよ。
デメリット
続いて、物流の検品作業を外部に依頼するデメリットについて詳しく見ていきましょう。
◆商品が変わるたびに作業の説明が必要
物流の検品作業を外部に依頼するデメリットは「商品が変わるたびに作業の説明が必要」ということです。
というのも、検品作業の中でも不良検品や作動検品を行う場合、取り扱う商品によって、チェックする場所ややり方が異なるから。
新しい商品を頻繁に物流代行会社へ依頼する場合は、検品方法をその度に説明しなければなりません。
自社で物流作業を行うのであれば、いちいち説明しなくても自社商品のことをわかっている社員が多いですが、委託する場合、説明のひと手間がかかるということを覚えておきましょう。
物流の検品作業を依頼するのにおすすめの代行会社3選
ここでは物流の検品作業を依頼するのにおすすめの代行会社を3社紹介します。
アートトレーディング株式会社
アートトレーディング株式会社は、埼玉県所沢市にフルフィルメントセンターを構える物流代行会社。ECの物流業務の代行を行っています。
一番の強みは、物流においての、入荷・検品・保管・梱包・発送など一連の業務はもちろん、受注業務やカスタマーサポートまでの業務を一貫して対応できるところ。ギフトラッピングの対応やチラシやサンプルなどの同梱業務もフレキシブルに対応することが可能です。
また物流代行は、小ロットから依頼することが可能。「商品が徐々に売れ始めてきて、人手が足りなくなってきた」というEC事業者にぴったりの代行会社になります。
さらにアートトレーディング株式会社では、EC運営のサポートや代行業務も行っており、その実績は200社以上にのぼります。
そのため、「物流代行だけではなくEC運営においてもさらに売上アップを目指したい」という場合でも、お客様それぞれに合わせたサポートをすることができますよ。
アートトレーディング株式会社
株式会社美翔物流
株式会社美翔物流は、大阪府摂津市、茨木市に倉庫を構える物流代行会社です。
一番のおすすめポイントは、食品の物流に特化している所。常温庫・チルド庫・冷凍庫の3温度帯の食品保管倉庫を完備しているので、どんな食品の商品を扱っていても安心して預けることが可能です。
また株式会社美翔物流では、食品商品の保管だけではなく、配送までを一貫して行うことができます。ルート配送便、定期便、臨時スポット便、貸切便の4つから選べるため、お客様の状況や都合に合わせて、倉庫の保管から配送までをカスタマイズして依頼することが可能です。
富士物流
富士物流は、全国に複数の物流倉庫を構える物流代行会社。
富士物流では、電子機器の物流代行も実施しています。
精密機器の取り扱いには最新の注意が必要ですが、富士物流では、多種多様な取扱い製品に応じた保管・作業環境の確保に加え、従事する作業員への徹底的な教育指導を行うことで、高品質な管理レベルを維持しています。
また富士物流では、オーダー数に合わせた細かな部品の入替え作業も対応することができます。さらにお客様が指定する帳票やラベル・出荷形態に合わせて納品をすることもできるため、安心して物流作業を任せることができますよ。
まとめ
物流現場での基本的な検品作業は、以下になります。
・入出荷時に商品の種類や数が合っているか確認する作業
・入出荷時に商品の劣化が起きていないかを確認する作業
また食品の物流現場の場合は、混入検品。電子機器の物流現場の場合は作動検品などを行う場合もあります。
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