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国内EC市場のEC化率を業種別に紹介!今後のEC化の予測もします!

EC分野の伸長は近年著しく、多くの企業にとって無視できない分野となっています。

そこで今回は、実際にどの程度ECが進んでいるかを示す「EC化率」を取り上げて、国内外のEC化率と業種別のEC化率について解説していきます。

監修者

アートトレーディング株式会社代表取締役。

2002年に楽天市場へ出店したことをきっかけに、EC支援サービスの提供をスタート。

累計150社以上のサイト制作、運営経験を持つ。

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経済産業省によるEC化率の定義

まず、EC化率の定義について説明します。

経済産業省の定義によれば、全ての商取引金額に対するEC市場で取引される金額の割合を指します。

実店舗や電話、ECなど全ての商取引金額の中でどれくらいECが占めているのかを示し、産業別に公表されています。

産業別のEC化率を知ることで、その産業でどれくらいECが進んでいるのかが分かります。

これはその産業の将来性や市場環境を知ることができ、ビジネスプランの設計に役立てることができます。

例えば、EC化率の高い産業であれば、ECを利用したビジネスは必須になります。

反対にEC化率の低い産業であれば、競合他社に先んじて新たな販路の開拓が可能になります。

日本のEC化率

2019年の日本のEC化率は6.76%と前年度の6.22%よりやや成長しています。

これは諸外国のEC化率の伸びに比べるとやや緩やかな成長になっています。

ただし、EC市場規模としては中国、アメリカ、イギリスに次ぐ第4位であり、19兆4000億円となっています。

2020年度は新型コロナウイルスの流行により、様々な業種のオフラインからオンラインへの事業移行がなされており、EC化率の伸長は間違いないでしょう。

世界のEC化率

2019年度の世界全体のEC化率は14.1%。

市場規模は3兆5300億ドルとなっています。

2023年までに22%に上昇すると予測されており、一層の伸長が見込まれます。

EC市場規模の大きい二国を取り上げて紹介します。

中国

中国のEC市場規模は2019年で1兆9300億ドルで、EC化率は36.6%となっています。

これは圧倒的な数字で、全世界のEC取引の半分以上を中国での取引が占めていることを示しています。

今後も農村部を中心として拡大の見込みがあり、間違いなく世界のEC市場を牽引する存在であると言えます。

中国のECに学ぶことが今後のECビジネスの鍵になるでしょう。

アメリカ

中国に次いで2位のアメリカのEC市場規模は6016億ドルです。

EC化率は11%となっており、中国ほどではないものの、高い水準と成長率になっています。

業種別のEC化率を見ると、書籍・音楽・ビデオが50%越で、コンピュータ・家電製品が39.4%となっています。

日本の業種別EC化率

ここからは日本の業種別のEC化率を紹介していきます。

それぞれの業界の課題や伸びしろ等も合わせて解説します。

参照:経済産業省「電子商取引に関する市場調査

食品・飲料・酒類

2018年 2019年
市場規模(億円) EC化率(%) 市場規模(億円) EC化率(%)
16,919 2.64 18,233 2.89

食品のECの市場規模はかなり大きな規模を誇っているものの、EC化率の伸びが今一つという印象です。

生鮮食品の取り扱いであったり、実物を手に取って見られない不安感が理由ととして考えられます。

そのため、生鮮食品の質を保つための物流拠点の構築や商品情報の明文化が求められています。

これらの課題を解決することで、EC化率を上げて、大規模な新規販路開拓が目指すことができます。

家電、PC・周辺機器等

2018年 2019年
市場規模(億円) EC化率(%) 市場規模(億円) EC化率(%)
16,467 32.28 18,239 32.75

家電周りのEC化率は32.75%と非常に高い水準にあり、日本の家電メーカーの信頼性や家電とECの相性の良さが分かります。

食品などと違い、規格が同じならば全ての商品で同じクオリティを求められることがECとの相性が良い理由であると考えられます。

書籍、映像

2018年 2019年
市場規模(億円) EC化率(%) 市場規模(億円) EC化率(%)
12,070 30.80 13,015 34.18

ここで扱う書籍は紙の本をECで購入した割合です。

高いEC化率になっている理由として、日本でもインターネット普及した初期から書店によるインターネット販売が始められており、書籍をインターネットで購入することに抵抗感が少ないことが挙げられます。

化粧品、医薬品

2018年 2019年
市場規模(億円) EC化率(%) 市場規模(億円) EC化率(%)
6,136 5.80 6,611 6.00

市場規模自体は巨大ですが、EC化が進まない理由として、生活県内にドラッグストアがあることが挙げられます。

ドラッグストアは全国の隅々にあり、安価に商品を購入できるため実店舗で購入するメリットが大きいのです。

そこで解決策として挙げられるのが、ライブコマースです。

化粧品はライブコマースとの相性がよく、ライブコマースが盛んな中国では化粧品のEC化率が40%を超えています。

新しいECの販売形態を導入することで、EC化率の向上を目指します。

衣類、服飾雑貨等

2018年 2019年
市場規模(億円) EC化率(%) 市場規模(億円) EC化率(%)
17,728 12.96 19,100 13.87

いわゆるアパレル関連の市場です。

アパレル関連の商品はECとの相性が悪いと言われてきましたが、近年急激にECでの売上を伸ばしてきました。

実店舗で試着などができないデメリットを補うための新しいサイズアシスト機能などの開発が行われており、企業努力が重ねられています。

また、ライバル店の多いアパレルEC市場において最も重要なのは集客の施策です。

コンテンツマーケティングやInstagram広告などによる集客施策が効果的といわれています。

事務用品、文房具

2018年 2019年
市場規模(億円) EC化率(%) 市場規模(億円) EC化率(%)
2,203 40.79 2,264 41.75

国内EC市場において最もEC化率の高い市場です。

これらの商品がECとの相性が良い理由として商品単価が安価であることが挙げられます。

手に取って吟味するというようなことが必要なく、安価であるために、気楽にネットで購入することができます。

【予想】2025年以降の日本のEC化率

2025年以降の日本のEC化率は緩やかな上昇へ

現状 2023年時点の物販系BtoC-EC化率は約9.38%。近年は年0.2〜0.3ptの上昇が続いており、2025年以降は急拡大ではなく安定成長期に移行すると見込まれます。

こうなる理由 消費者側の利用は広く浸透し、未利用層の開拓は難度が上がる一方、地方や高齢層での利用拡大、サブスクやリピートECの定着が下支えとなるため、緩やかな上昇が続くと考えます。

2030年にはEC化率11〜13%台に到達する見込み

2023年の9.38%から着実に上昇を続け、2030年には日本のEC化率は二桁台に到達すると予想されます。

  • 保守モデル: 約10.5%(物流コスト増などで成長鈍化)
  • 標準モデル: 約11.9%(OMO施策とDX推進で安定成長)
  • 楽観モデル: 約13%(テクノロジー革新と地方EC浸透が進む)

OMO(Online Merges with Offline)の深化によって、実店舗とECの垣根が低くなり、購買体験がよりシームレスに。
これにより、オフライン中心層のEC利用が拡大すると見込まれます。

成長を支える3つの要因

今後も日本のEC市場を押し上げる主な要因は以下の3点です。

  • デジタルインフラの進化: 5GやAIレコメンド、マルチペイメントの普及で利便性が向上。
  • 中小事業者の参入拡大: BASEやShopifyなどノーコードツールの普及で参入障壁が低下。
  • 消費者行動の変化: コロナ以降、食品や日用品などでもオンライン購入が一般化。

これらの要素が組み合わさることで、EC市場は安定的かつ持続的に成長していくと考えられます。

成長鈍化を招くリスク

一方で、成長のスピードを抑えるリスク要因も存在します。

  • 物流コスト上昇: 人手不足や再配達問題による配送負荷の増大。
  • 節約志向の強まり: 物価上昇や所得停滞による消費抑制の影響。
  • 競争激化: 出店数増加により利益率低下、差別化の難化。

こうした課題に対応するためには、物流効率化やCX改善、データ活用による経営最適化が重要になります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はEC化率について市場別の課題や将来の予測について解説させていただきました。

店舗とECサイトの両立は急務であり、その中でもECに力を入れていこうという方は、いかにユーザーが購入しやすいようにするかを考える必要があります。

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