Shopifyでセール行う理由とは?販売期間やクーポンの設定方法についてご紹介いたします。
Shopifyでセールを実施したいけれど、「どんな割引が設定できるの?」「アプリを使うべき?」と悩んでいませんか。
Shopifyには、追加アプリを使わずに利用できる便利なデフォルト割引機能が揃っており、目的に合わせたセールを簡単に開催できます。また、必要に応じてアプリを組み合わせることで、より高度なセール設計や演出も可能です。
本記事では、Shopifyの標準機能で設定できる4つの割引方法の使い方から、売上を伸ばすためのおすすめアプリ、セールのメリット・デメリット、効果的なセール設計のコツまで、実務で役立つポイントをわかりやすくまとめました。
「すぐに使える実践的なセールノウハウ」を中心に解説しているため、これからセールを行いたい方はもちろん、すでに施策を実施している方の見直しにも役立つ内容です。
Shopifyで売上を最大化するためのヒントを、ぜひ最後までチェックしてください。
目次
Shopifyのデフォルト機能でセールを実施する方法
Shopifyには、追加アプリを使わなくても実施できる「デフォルトの割引機能」が用意されています。主要な4つの割引タイプについて、それぞれの特徴と使いどころをわかりやすく解説します。
商品の定額割引
商品の定額割引は、特定の商品やコレクションに対して「◯円引き」のように金額ベースの割引を設定できる機能です。
単品商品の値下げはもちろん、カテゴリーごとの一律割引にも使えるため、季節セールや在庫処分など幅広い場面で活用できます。
設定もシンプルで、割引対象・割引額・適用期間を指定するだけで利用でき、カートに入れた時点で自動的に割引が反映されます。割引率ではなく具体的な金額で訴求したい場合に特に効果的です。
詳しい設定方法を下記で見ていきましょう。
1.ディスカウントを作成する
まずはshopifyにログインして左サイドバーの『ディスカウント』をクリック。
その後右上の『ディスカウントを作成する』ボタンをクリックした後、[商品の定額割引]の欄をクリックします。

2.条件を入力する
一番上の欄『クーポンコード』か『自動ディスカウント』どちらかを選択します。

その後、それぞれどの条件で割引が適用されるか下記の条件を入力しましょう。
・割引額
・割引対象(商品orコレクション)
・利用資格
・最低購入要件
・利用回数
・有効期限
条件は「一定金額以上購入した場合に適用」といった設定も可能なため、客単価アップの施策としても効果的です。
割引率を使ったセールは、特に「期間限定キャンペーン」や「会員限定セール」との相性が良く、顧客の購買意欲を高めながら在庫を効率的に回転させることができます。
Buy X Get Y
Buy X Get Yは、「◯個買うともう1個無料」「2点購入で3点目が50%OFF」など、購入数量に応じた特典を提供できるプロモーション機能です。
まとめ買いを促進したい場合に最も有効で、アパレルのセット買いや食品・雑貨の複数購入に特に向いています。割引はカート内で自動適用され、対象商品・特典内容・条件となる数量なども細かく設定できます。客単価を上げたいセール時に重宝する割引タイプです。
設定方法を下記で見ていきましょう。
1.ディスカウントを作成する
先ほどと同じように左サイドバーの「ディスカウント」をクリックした後、右上の「ディスカウントを作成する」をクリックします。
その後、ディスカウントタイプ2番目の『Buy X Get Y』をクリックしてください。

2.条件を入力する
割引の適用は「クーポンコード」か「自動ディスカウント」どちらでされるかを選択します。
その後、どういった条件で割引が発動するか下記の設定を行いましょう。
・最低アイテム数or最低購入金額
・対象アイテム(特定の商品or特定のコレクション)
・割引価格
・利用資格(詳細なセグメントも可能)
・割引の利用回数
・有効期間

例えば「Tシャツを購入すると靴下が無料」や「2点目50%OFF」などのように設定することで、クロスセル(関連商品販売)やアップセル(上位商品販売)を促進する施策として非常に効果的です。
注文の定額割引
注文の定額割引は、注文全体に対して「1,000円OFF」などの割引を適用する機能です。複数点購入や高単価商品の購入を後押ししやすく、期間限定セールやキャンペーンでよく使われます。
また「◯円以上の購入で◯円OFF」のように条件付き割引も設定できるため、平均注文単価(AOV)向上にも効果的です。ディスカウントコードとして発行することもできるので、SNSやメルマガでのクーポン配布にも適しています。
利用方法を下記で見ていきましょう。
1.ディスカウントを作成する
これまで同様、左サイドバーの「ディスカウント」をクリックした後、右上の「ディスカウントを作成する」をクリックします。
ディスカウントタイプでは、3段目の「注文の定額割引」をクリックしましょう。

2.条件を入力する
割引方法を「クーポンコード」か「自動ディスカウント」にするかを選択し、下記の割引発動条件を入力しましょう。
・割引額
・利用資格
・最低購入要件
・利用回数
・有効期間

たとえば「1,000円OFF」や「500円引きクーポン」など、具体的な金額を明示することでユーザーにお得感を伝えやすくなります。
また、Shopifyでは「最低購入金額」を設定できるため、「5,000円以上の購入で500円引き」といった条件付きクーポンを作成することで、まとめ買いを促進することも可能です。
無料配送
無料配送は、一定条件を満たした注文に対して送料を無料にできる割引機能です。特に「◯円以上の購入で送料無料」といった条件設定は、カゴ落ちを防ぎ購入を後押しする効果が高いのが特徴です。
割引コード形式でも、自動適用形式でも設定でき、セール期間中の転換率(CVR)向上にも寄与します。送料負担を軽減するだけでなく、まとめ買いを促したい時にも有効な施策です。
設定方法を下記で見ていきましょう。
1.ディスカウントを作成する
これまでと同じように、左サイドバーの「ディスカウント」をクリックした後、右上の「ディスカウントを作成」をクリックします。
その後、ディスカウントタイプ4段目の「無料配送」をクリックしましょう。

2.条件を入力する
送料無料をクーポンで発動させるか、自動ディスカウントで発動させるかを選択したら、さらに下記の発動条件を入力しましょう。
・どの国を対象にするか
・利用資格
・最低購入要件(要件なしor金額or購入数)
・利用回数
・有効期間

たとえば「5,000円以上で送料無料」や「初回購入者限定で送料無料」など、購買ハードルを下げる効果があります。
無料配送は特に送料負担が心理的障壁になりやすいECサイトでは非常に効果的で、カート離脱率の低下にもつながります。
shopifyでセールをする際におすすめのアプリ
標準機能だけでもセール運用は可能ですが、より高度な表示演出や複雑な割引ロジック、客単価アップ施策などを実現したい場合はアプリの活用が欠かせません。
Shopifyにはセール専用アプリが数多く存在し、目的に合わせて組み合わせることで成果を最大化できます。
ここでは、特に評価の高いアプリを厳選し、それぞれの特徴と活用メリットを紹介します。
Bold Discounts ‐ 自動割引と価格書き換えができる定番アプリ

Bold Discountsは、Shopifyでセールを効率的に運用したい事業者から高い支持を得ている定番アプリです。割引の自動スケジュール設定や、商品ページの価格書き換えを一括で行える点が大きな魅力で、大規模セールにおける人的工数を大幅に削減できます。さらに、セールバッジの表示やストア全体での一括割引にも対応しているため、ショップの規模や目的に応じた柔軟な運用が可能です。面倒な設定が最小限で済むうえ、直感的に使える管理画面も評価されており、セール施策を強化したいショップにとって非常に心強い存在です。
Discount Ninja ‐ 高度なセール演出とカウントダウン機能が充実

Discount Ninjaは、セール時の演出力を高め、購入率向上を狙いたいストアに最適なアプリとして注目されています。特に、カウントダウンタイマーや動的な割引表示など、ユーザーの購買意欲を刺激する仕掛けが豊富に備わっている点が強みです。さらに、特定のページや顧客層に絞った割引適用など高度なルール設定が可能で、本格的なマーケティング施策にも対応できます。ページの読み込み速度に配慮した設計で、ストアパフォーマンスを落としにくい点も高評価の理由。セールを戦略的に運用したい事業者におすすめです。
Honeycomb Upsell & Cross Sell ‐ セール時のアップセル強化に最適

Honeycomb Upsell & Cross Sellは、セール時の売上最大化を狙う上で非常に有効なアップセル・クロスセル特化アプリです。購入直前やカート内で関連商品を提案しやすく、客単価の向上に貢献します。特に、ポップアップのデザイン性の高さと、設定の簡単さが支持されており、初心者でも直感的に施策を実装できます。セール期間中にアクセスが増えるタイミングで、自然な流れで追加購入を促せるため、広告費を抑えつつ収益性を高めたい事業者に最適。A/Bテストにも対応しているため、継続的な改善にも役立ちます。
Ultimate Special Offers ‐ 多彩な割引ルールを柔軟に設定できる

Ultimate Special Offersは、Shopifyストアで多彩な割引施策を実施したい事業者に選ばれているアプリです。「1つ買うと1つ無料」「まとめ買い割引」「特定商品だけ割引」など、幅広い割引ルールを柔軟に設定できる点が大きな魅力。単一アプリで複数のセール手法を同時に展開できるため、季節ごとのキャンペーンや在庫調整にも対応しやすくなります。管理画面が分かりやすく、リアルタイムで結果を確認できる点も高評価。ショップの企画力を高め、成果につながるセール運用を実現します。
Countdown Timer Bar ‐ 限定感を演出するカウントダウンバー

Countdown Timer Barは、ストアの上部にタイムリミットを表示することで“今買わないと損”という心理を自然に喚起できるアプリです。シンプルながら高いコンバージョン効果が評価されており、セール時のページ離脱率を下げたいストアに最適です。デザインカスタマイズが容易で、ブランドイメージに合わせた表示が可能。さらに、特定のページだけに表示するなど柔軟なルール設定もでき、使い勝手の良さが光ります。導入だけで購買意欲を大きく高められるため、低コストで成果を求める事業者におすすめです。
Bundler ‐ セット販売を強化するバンドルアプリ

Bundlerは、複数の商品を組み合わせてセット販売する際に便利なアプリとして多くのショップに採用されています。セット購入で割引を提供することで、在庫消化や客単価アップに効果を発揮します。設定は非常にシンプルで、直感的にバンドルを作成できる点が初心者からも評価されています。また、同カテゴリの商品を自然な形でまとめ、多様な購買ニーズに応えられる点も魅力です。単品販売が中心のストアでも、セット提案によって新たな売上導線を作れる、導入価値の高いアプリです。
ReConvert Upsell & Cross Sell ‐ 購入直後のセール誘導に強い

ReConvert Upsell & Cross Sellは、購入完了ページを活用してアップセルを行えるアプリとして高く評価されています。購入直後は顧客の購買意欲が最も高まりやすいタイミングであり、その瞬間にパーソナライズされたおすすめ商品を提示できる点がこのアプリの強みです。設定項目が豊富で、顧客の購入履歴に基づいた提案も可能。セール期間中の回遊率向上にも効果的です。ストア全体のUXを損なうことなく自然に売上を伸ばせるため、効率の良い追加収益を求める事業者に最適なアプリです。
Wide Bundles ‐ 見やすいバンドルUIでセット割引を訴求

Wide Bundlesは、視認性の高いバンドルUIを簡単に設置できることで人気のアプリです。商品ページ内にセット購入オプションを自然に配置でき、ユーザーの購買体験を損なうことなく割引訴求が可能です。とくに、単品・セットの比較が分かりやすく表示されるため、価格メリットを直感的に理解してもらいやすい点が高く評価されています。在庫調整や販売戦略としてセット訴求を強化したいショップにとって、導入効果の高いアプリです。デザイン性と機能性を兼ね備えた使い勝手の良いツールといえます。
Sales Popup Autoketing ‐ 売れている感を演出するポップ通知

Sales Popup Autoketingは、他の顧客の購入情報をポップアップで表示することで“人気商品”であることを自然に伝えるアプリです。社会的証明(ソーシャルプルーフ)の効果により、購入を迷っているユーザーの背中を押す役割を果たします。セール時には特に効果が大きく、ストアの活気を演出することでコンバージョン率向上に貢献します。ポップアップのデザインカスタマイズも柔軟で、ブランドに合った表現が可能。売れている雰囲気づくりを簡単に実現できるため、多くのショップに重宝されています。
Wheelio ‐ スピンウィール型クーポンでセール効果を最大化

Wheelioは、訪問ユーザーにスピンウィール形式でクーポンを配布できる、エンタメ性の高いアプリとして広く知られています。ゲーム感覚で割引を獲得できるため、離脱率の高い新規ユーザーでも興味を引きやすく、メールアドレス取得にも効果を発揮します。セール時のアクセス増加と相性がよく、集客から購入までの導線を強化したいショップに最適です。デザイン性も高く、ブランドイメージに合わせたカスタマイズが可能。販売促進とリスト獲得を同時に実現したい事業者にとって理想的なツールです。
shopifyでセールをおこなうメリット
まずはshopifyでセールをおこなうメリットをみていきましょう。
顧客の購買意欲を高める
Shopifyでセールを行う最大のメリットは、顧客の購買意欲を刺激できる点です。
通常価格より安くなることで、購入を迷っていたユーザーの背中を押す効果があります。
さらに、「期間限定」「在庫限り」といった訴求を組み合わせることで、心理的な「今買わないと損をする」感覚(FOMO)を生み出すことができます。
Shopifyではクーポンコード発行や自動ディスカウント設定も可能なため、簡単にセール施策を展開できます。
また、メールマーケティングやSNS連携機能を活用して告知することで、既存顧客だけでなく新規顧客の獲得にもつながるのが特徴です。
結果として、短期間で売上を大きく伸ばすことが可能になります。
在庫の回転率を上げる
Shopifyでのセールは、在庫の効率的な消化にも非常に有効です。
特にシーズン商品やトレンド商品は販売期間が短く、売れ残りは利益を圧迫する要因になります。
セールを実施することで、滞留在庫を現金化し、倉庫スペースを有効活用することが可能です。
Shopifyでは在庫管理機能が充実しており、セール対象商品の設定や在庫数の自動更新もスムーズに行えます。
また、セール実施後の売上データを分析することで、「どの商品が売れやすいか」「価格設定が適正か」といった販売戦略の見直しも容易です。
結果として、販売効率と利益率の両方を改善するサイクルを構築できるのが大きな強みです。
リピーターを増やすきっかけになる
セールを上手く活用すれば、リピーター育成のきっかけにもなります。
Shopifyでは顧客データベースを活用し、過去の購入履歴に応じたターゲティングセールを実施することができます。
例えば、「前回購入から90日経過した顧客に10%オフクーポンを配布」といったパーソナライズされた販促が可能です。
これにより、顧客の満足度を高めながら再購入を促進できます。
また、セールを通じてブランドに好印象を持った顧客が口コミやSNSで紹介してくれることも多く、自然な拡散効果も期待できます。
結果的に、短期的な売上向上だけでなく、中長期的な顧客ロイヤルティの向上にもつながります。
新規顧客を獲得しやすい
Shopifyでのセールは、新規顧客の獲得施策としても高い効果を発揮します。
セールは「お得に買えるチャンス」としてSNSや広告経由での反応率が高く、これまでブランドを知らなかったユーザーにも興味を持ってもらいやすいのが特徴です。
特に、初回購入者限定セールや送料無料キャンペーンを組み合わせると、CVR(購入率)が大幅に向上します。
また、Shopifyの分析機能を活用すれば、セール経由での流入経路や購買データを可視化でき、今後の集客戦略にも反映可能です。
つまり、セールは単なる「値下げ」ではなく、顧客接点を拡大しブランド認知を広げる重要なマーケティング施策となります。
shopifyでセールをおこなうデメリット
ここではshopifyでセールをおこなうデメリットを見ていきましょう。
利益率の低下につながる
Shopifyでセールを実施する際の大きなデメリットは、利益率の低下です。
割引を行うことで一時的に売上は増加しますが、同時に利益が圧縮されるリスクがあります。
特に仕入れ原価が高い商品や、広告費・配送コストがかかる場合、セールによって赤字販売になってしまうケースもあります。
そのため、セールを行う前には利益率シミュレーションを行い、「どのラインまで値下げできるか」を明確にしておく必要があります。
また、常に値引きをしている店舗だと「通常価格では買いたくない」という顧客心理を生みやすく、長期的な価格競争に巻き込まれる可能性もあります。
短期的な売上よりも、ブランド価値を維持しながら利益を守るバランスが重要です。
ブランドイメージの毀損リスク
頻繁なセールの実施は、ブランド価値を下げるリスクがあります。
特に高品質・高価格帯を打ち出しているブランドでは、「安売りのイメージ」がつくことで顧客の信頼を損なう場合があります。
「このブランドはいつも割引している」と思われると、通常価格では購入してもらえなくなる可能性も。
Shopifyではセールを簡単に設定できますが、セールの頻度や期間を戦略的にコントロールすることが大切です。
期間限定キャンペーンや会員限定セールなど、特別感を演出する方法を取り入れることで、値引きに頼らないブランド運営が可能になります。
短期的な集客よりも、中長期的なブランド信頼性の維持を意識しましょう。
顧客が「値下げ待ち」になる
セールを繰り返すと、顧客が「次も安くなるはず」と考え、通常時の購入を避ける傾向が強まります。
結果として、セール期間以外の売上が下がり、売上の波が極端に大きくなるという問題が発生します。
特にShopifyのようにリピーターが多いECサイトでは、この傾向が顕著です。
これを防ぐためには、セール対象を限定する、新商品のみを割引対象にするなどのルールを設けることが有効です。
また、価格以外の価値(限定特典、購入者限定コンテンツなど)を打ち出すことで、「待たずに買う理由」を顧客に与えることができます。
値下げだけに頼らない販売戦略を構築することが、長期的な安定経営につながります。
在庫・オペレーション負担の増加
セール期間中は注文が急増するため、在庫管理や発送業務の負担が一時的に増大します。
特に少人数で運営しているShopify店舗では、出荷遅延や在庫切れなどのトラブルが発生しやすくなります。
これらのトラブルは顧客満足度を下げ、レビュー評価の低下やリピート率の減少につながるリスクがあります。
事前に在庫状況を確認し、セール対象商品を絞る・出荷スケジュールを見直すなど、オペレーションの準備を整えることが重要です。
また、Shopifyの在庫連動アプリを活用すれば、在庫更新や注文管理の自動化が可能です。
セール成功の鍵は、販売だけでなく裏側の管理体制を最適化することにあります。
shopifyで効果の出やすいセール設計のコツ
セールの成果は「どのように設計するか」で大きく変わります。
同じ割引率でも、目的設定・見せ方・導線作り・告知方法によって売上は何倍も変動します。ここでは、Shopifyで成果を最大化するための“設計の視点”にフォーカスし、実務で役立つ最重要ポイントを解説します。
すぐに実践できるコツを中心に紹介していきます。
ゴールを明確にしてセール内容を最適化する
セール設計で最も重要なのは、まず「なぜセールを行うのか」という目的を明確にすることです。
新規顧客を増やしたいのか、在庫を早く処理したいのか、客単価を上げたいのかによって、最適な割引方法や訴求軸は大きく変わります。
例えば新規獲得が目的なら初回限定クーポン、在庫消化なら特定SKUのクリアランス、客単価アップならまとめ買い割が効果的です。
目的が曖昧なままセールをすると、割引率だけが強調されて利益を圧迫するだけでなく、ブランドの価値も下がりかねません。
まずは「誰に」「何を」「どのように買ってほしいのか」を整理し、そこから逆算してセール設計を行うことで、ムダのない効果的な施策に仕上がります。
割引率より“価値が伝わる”見せ方を重視する
セールでは割引率そのものよりも、ユーザーにどれだけ「価値」や「お得感」が伝わるかが成果を左右します。
同じ30%OFFでも、「期間限定」「数量限定」「人気商品が対象」「セットでさらにお得」など、見せ方が変わるだけで購入率に大きく差が出ます。
また、割引の背景に“ユーザーが納得できる理由”があると、購買意欲が大きく高まります。
例えば「季節の入れ替え特価」「累計1万個販売感謝セール」といったストーリー性は、価格以上の魅力を感じてもらえる重要な要素です。
割引率を上げるより、“見せ方を最適化するほうが利益を守りながら売上を伸ばせる”ことを意識して設計するのがポイントです。
対象商品の選定を戦略的に行う
セールの成果を大きく左右するのが、割引率よりも「どの商品を対象にするか」という戦略です。
すべての商品を一律値引きすると利益を圧迫し、ブランド価値の毀損にもつながります。
そこで重要なのは、利益率の高い商品、回転させたい在庫、クロスセルしやすいアイテムなどを見極めて対象を絞ることです。
また、売れ筋商品をあえて割引し集客の起点にしつつ、関連アイテムの通常販売で利益を確保する方法も効果的です。
逆に売れ残り商品を単体で値引きしても動きづらいため、セット割やついで買いを促す仕組みが必要になります。
戦略的な商品選定は、売上と利益を両立させるうえで欠かせないセール設計の基本です。
Buy X Get Yで客単価を底上げする
Shopifyの「Buy X Get Y」は、購入点数を自然に増やせるため、客単価アップに非常に有効な仕組みです。
「2点購入で3点目無料」「1万円以上で20%OFF」など、ユーザーが“もう少し買ったほうがお得”と感じる設計は購買意欲を強く刺激します。
特にアパレル・コスメなど複数買いが発生しやすいジャンルでは効果が顕著で、平均注文金額の底上げにつながります。
また、特定の商品を割引対象にすることで在庫調整と売上確保を同時に実現できる点もメリットです。
割引率に頼らず、購入点数を増やすロジックを作ることでセールの効率は大きく向上します。
“買えば買うほどお得”という心理を活かすことで、利益を守りつつ客単価UPを実現できます。
セールをLP化し導線を最短にする
セールの成果を伸ばすには、ユーザーが迷わず商品にたどり着ける“最短導線”を作ることが重要です。
そのために効果的なのが、対象商品・割引内容・人気ランキング・注意事項をひとつのページにまとめたセール専用LPの作成です。
LP化することで、ユーザーが情報を探すストレスがなくなり、購入率が向上します。
また、「残りわずか」「期間限定」「おすすめセット」などの要素を盛り込むことで、購買意欲をさらに高めることも可能です。
広告やSNSリンクをすべてLPに統一することで、流入効率も大幅に改善します。
迷わせない導線づくりが、セール全体のCVRを引き上げる鍵になります。
メルマガ・LINE・SNSで事前告知とリマインドを行う
セールで最大の成果を出すには、開始時の告知だけでは不十分です。
「事前告知 → 開始直後 → 終了前」の3段階で告知することで、売上の山を複数つくり、機会損失を減らせます。
特にLINEは開封率・到達率が高く、既存顧客へのリーチに非常に有効です。
メルマガ・SNSと組み合わせることで、新規層・既存層どちらにもアプローチでき、セール全体の売上を底上げできます。
終了前の“駆け込み心理”を活かしたリマインドは、売上の最後の伸びに大きく貢献します。
告知の設計次第で、セール売上は1.5〜2倍に伸びることも珍しくありません。
クーポン乱発を避けブランド価値を保つ
クーポンを頻繁に配布すると、ユーザーは“安くなるまで待つ”習慣がつき、通常価格での購入が難しくなります。
これはブランド価値の低下を招き、長期的な売上にも悪影響を与えます。
クーポンは配布頻度・使用条件を明確にし、特別感を演出することが重要です。
「限定」「先着」「期間限定」「対象者限定」などの制約を付けることで、お得感が増し購入率も向上します。
ブランドポリシーとして“理由のある割引”を徹底することで、価格ではなく価値で選ばれる状態を維持できます。
安売りではなく“価値を守るための割引”を意識することが、ブランドの健全な成長につながります。
分析から改善点を抽出して次回セールに活かす
セール後の分析は、売上アップだけでなく利益改善の観点からも非常に重要です。
売上・CVR・客単価・利益率・在庫消化率・新規率・広告費回収率などを確認し、「何がうまくいったか」「どこに改善余地があるか」を洗い出します。
特に、売れた商品と売れなかった商品の差を分析することで、次回のセール対象や割引内容の精度が高まります。
また、告知導線のどこで離脱が多かったかを確認すると、次回のLP改善や告知設計に直結します。
この分析を継続することで、短期利益だけでなく長期的なセールの成功率も向上します。
セールは“やりっぱなし”ではなく、PDCAを回すことで毎回成果が積み上がります。
【セール実施後】shopifyで確認できる販売レポート
セール実施後にshopifyスタンダードプランでは、以下の販売レポートを確認できます。
- 時間の経過による売上
- 商品別売上
- 商品バリエーションSKU別売上
- 商品販売元別売上
- ディスカウント別売上
- トラフィックの参照元別売上
- 請求先ロケーション別の売上
- チェックアウト通貨別売上
- チャネル別売上
- お客様名別売上
- 時間の経過による平均注文金額
それぞれ詳しく見ていきましょう。
時間の経過による売上
Shopifyのレポートでは、日別・週別・月別など時間の経過に応じた売上推移を確認できます。
セール期間中の売上ピークや、キャンペーン告知後の反応速度を可視化することで、最も効果的な販売タイミングを分析できます。
また、セール前後の売上変動を比較すれば、施策による実際のインパクトを数値で把握可能です。
時間軸での分析は、次回のセール開催日程や広告配信タイミングを決定するうえで非常に重要な指標となります。
商品別売上
どの商品がどれだけ売れたかを明確に把握できるのが商品別売上レポートです。
セール対象商品の中で特に人気の高いアイテムを特定することで、今後の仕入れ・在庫戦略に役立てられます。
一方で、売上が伸びなかった商品を洗い出すことで、価格設定や商品訴求の見直しも可能です。
Shopifyでは「売上数量」「売上金額」「平均販売単価」なども同時に確認でき、商品パフォーマンスを多角的に分析できます。
商品バリエーションSKU別売上
商品にサイズ・カラー・素材などのバリエーションがある場合、SKU単位での売上を確認できます。
たとえば「Mサイズだけ売れてSサイズは在庫過多」といった傾向を把握でき、在庫最適化や仕入れ精度の向上に直結します。
また、セール時にどのバリエーションが人気だったかを分析することで、次回のプロモーション対象を戦略的に決めることが可能です。
ShopifyではSKU別売上を自動集計してくれるため、煩雑な手作業を減らし、効率的なデータ管理ができます。
商品販売元別売上
複数の仕入れ先やブランドを扱うショップでは、販売元(ベンダー)ごとの売上を追跡できます。
どの仕入れ先の商品が利益を出しているか、またどの取引先の商品の回転率が低いかを把握でき、取引条件の見直しや仕入れ配分の最適化に役立ちます。
このレポートを活用すれば、ブランド別の販売実績を可視化し、売上構成比を把握することで、より強いブランド戦略を立てることができます。
ディスカウント別売上
Shopifyのセールでは、クーポンや自動割引など複数のディスカウントを同時に運用できます。
ディスカウント別売上レポートでは、どの割引が最も効果的だったかを分析できます。
たとえば「10%OFFクーポン」と「送料無料キャンペーン」で比較し、売上貢献度や利益率の高い施策を特定可能です。
次回セール時のディスカウント設計や予算配分を最適化するために、非常に重要な指標となります。
トラフィックの参照元別売上
Shopifyでは、どの経路から顧客が購入に至ったかを確認できます。
「SNS広告」「Google検索」「メールマーケティング」「LINE配信」など、流入チャネル別の売上を比較することで、最も費用対効果の高い集客経路を特定できます。
これにより、セール後の広告費配分や次回キャンペーンの告知方法を最適化できます。
Shopifyのアナリティクス画面では、参照元別にセッション数やコンバージョン率も確認可能です。
請求先ロケーション別の売上
Shopifyは、顧客の請求先住所(都道府県・国別)ごとの売上データも確認できます。
これにより、地域ごとの購買傾向を分析し、エリア別プロモーションを最適化することができます。
たとえば特定地域で売上が集中していれば、そのエリアに限定した配送無料キャンペーンやSNS広告配信が有効です。
海外販売を行っている店舗では、通貨・国別の分析にも活用できます。
チェックアウト通貨別売上
越境ECを運営している場合、どの通貨で購入されたかを追跡できます。
Shopify Paymentsを利用していれば、多通貨での売上データが自動で集計され、国別・通貨別の販売傾向を把握できます。
為替変動の影響を考慮しながら、価格設定やプロモーション戦略を調整することが可能です。
海外ユーザーの購入割合を把握することで、将来的な販売国拡大の判断にもつながります。
チャネル別売上
Shopifyでは、「オンラインストア」「Instagramショップ」「Googleショッピング」など販売チャネルごとの売上を確認できます。
これにより、どのチャネルが最も売上を牽引しているか、またどのチャネルが改善の余地があるかを可視化できます。
チャネル別の成果を定期的に確認することで、広告費の最適配分やチャネル戦略の再構築が可能です。
また、セールを特定チャネル限定で実施した場合、その効果を測定する指標としても有効です。
お客様名別売上
Shopifyの顧客データをもとに、顧客ごとの購入履歴や累計売上を確認できます。
これにより、リピーター・VIP顧客の特定や、LTV(顧客生涯価値)の算出が可能になります。
セールを通じて新規顧客がどれだけリピーター化したかを分析することで、施策の質的評価にもつながります。
顧客別分析は、次回のパーソナライズドクーポン配布やメールマーケティングの戦略にも活用できます。
時間の経過による平均注文金額
Shopifyでは、期間ごとの平均注文金額(AOV)を追跡できます。
セール期間中に平均注文金額がどのように変動したかを分析することで、割引施策がどの程度購買単価に影響したかを把握できます。
たとえば「まとめ買い割引」や「送料無料ライン設定」が効果的だったかどうかを数値で確認できるため、今後の価格設計や販促計画に活かせます。
平均注文金額の推移は、短期的な売上増だけでなく、長期的な顧客価値の向上を測定する重要な指標です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
セールや割引のようなディスカウントを行うことで売上の向上や在庫の一掃など顧客だけでなく企業にとっても良い効果をもたらしますが、その半面でネガティブな影響を与える場合もあります。
Shopifyの設定やアプリをうまく活用して的確な販売計画を立てることに役立てましょう。






