物流のピッキング作業とは?効率化する方法やシステムもあわせて紹介!
物流のピッキング作業とは?効率化する方法はあるの?と気になっていませんか。
物流のピッキング作業とは、出荷依頼のあった商品を倉庫から集めてくる作業のことです。
また物流のピッキング作業には、“シングルピッキング”と“トータルピッキング”2種類の作業方法があるので、商材や状況に応じて必要な方法で作業しなければなりません。
この記事では、他にも「物流のピッキング作業を効率化する方法」や「効率化に役立つピッキングシステム」までを詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてくださいね。
目次
01.物流のピッキング作業とは?02.物流のピッキングには2種類の方法がある03.物流のピッキング作業を効率化する方法04.物流で効率化できるピッキングシステム3選05.物流のピッキング作業の課題とは?06.まとめ
物流のピッキング作業とは?
物流のピッキング作業とは、倉庫内に保管された必要な商品を集めてくる作業のことを言います。
具体的には、出荷指示書(ピッキングリスト)に記載された商品の型番や品数に合わせて正しい商品を集めていきます。物流作業の中でも、特に正確性が求められる作業と言えるでしょう。
物流のピッキングには2種類の方法がある
物流のピッキング作業には、以下2種類の方法があり、取り扱っている商材などの特性に応じて使い分けていきます。
・シングルピッキング
・トータルピッキング
それぞれどういった方法なのか、詳しく見ていきましょう。
シングルピッキング
シングルピッキングとは、1つの出荷オーダーごとに倉庫から商品を集めてくるピッキング方法のことです。
お客様からの注文数と同じだけ、倉庫内を往復する必要があるため、注文件数がすくなくSKU(商品の種類)の数が多くある場合に向いている手法になります。
◆シングルピッキングのメリット
シングルピッキングのメリットは、以下になります。
・出荷内容ごとに必要な商品だけを取りだすだけなので作業が簡単
・簡単な作業なので、作業ミスが発生しづらい
・商品を集めてから、仕分ける必要がないためすぐに梱包できる
シングルピッキングは、比較的シンプルな作業なのでピッキング初心者でも簡単に作業を行うことができるでしょう。
◆シングルピッキングのデメリット
シングルピッキングを行うデメリットは、以下になります。
・スタッフの移動距離が長くなる
・無駄な作業や移動が発生してします
シングルピッキングは、商品1つ1つを出荷オーダーごとに集めてくる必要があるので、次に紹介するトータルピッキングよりも移動距離の無駄が起きやすいということを覚えておきましょう。
トータルピッキング
トータルピッキングとは、出荷オーダーの商品をまとめて取りだし、仕分け場所で送り先ごとの商品を仕分ける作業方法です。
作業員の移動距離を短縮し、ピッキングを効率化できるため、出荷量が多い商品やSKU(商品の種類)が少ない場合に最適な作業方法になります。
◆トータルピッキングのメリット
トータルピッキングのメリットは、以下の通りです。
・作業スタッフの移動距離を短縮できる
・ピッキングエリアの渋滞を防げる
・検品作業で行う数の確認が簡単にできる
トータルピッキングのメリットは、何より効率的に商品をピッキングできるところです。そのため、人材不足が課題となっている多くの物流センターで取り入れられているピッキング方法になります。
◆トータルピッキングのデメリット
トータルピッキングのデメリットは、以下の通りです。
・集めてきた商品を仕分けする手間がかかる
・複数のオーダーが溜まるまで作業ができない
トータルピッキングは、ピッキング作業の効率を上げることができますが、代わりに仕分けの作業が発生してしまいます。
また多くの出荷オーダーが来ないと、作業を始めることができないので、出荷数の少ない倉庫には不向きな作業方法だと言えるでしょう。
物流のピッキング作業を効率化する方法
物流のピッキング作業を効率化する方法は、以下の通りです。
・ロケーション管理を行う
・倉庫内の整理整頓を徹底する
・作業をマニュアル化する
・システムを導入する
・代行会社に依頼する
それぞれ見ていきましょう。
ロケーション管理を行う
物流のピッキング作業を効率化するためには、ロケーション管理を行うのがおすすめです。
ロケーション管理とは、倉庫内の商品を保管する場所に住所を割り振る管理方法のこと。
倉庫内に住所を割り振ることで、倉庫内の商品を効率的にピッキングすることが可能になります。
またロケーション管理では、商材や出荷状況に合わせて、商品を以下2つの方法で保存していきます。
・固定ロケーション
・フリーロケーション
それぞれ詳しく見ていきましょう。
◆固定ロケーション
固定ロケーションとは、倉庫で保管する商品をSKU(商品の種類)ごとに固定した棚で管理する方法のこと。
固定ロケーションを利用するメリットは、商品の場所が種類別に固定されているため、どこにどの商品があるのか覚えやすいこと。
また、在庫が減った時に一目で状況がわかるため、商品在庫の欠品のリスクが減るということです。
逆にデメリットとしては、1つの保管スペースに同じ種類の商品しか置くことができないので、保管場所を有効活用できないということが挙げられるでしょう。
そのため固定ロケーションは「保管する商品数の種類が少ない場合」「保管する商品数が年間を通して安定している」場合に利用するのがおすすめの管理方法となります。
◆フリーロケーション
フリーロケーションとは、保管する商品を倉庫の空いているスペースにどんどん格納していく管理方法のこと。
フリーロケーションのメリットは、倉庫のスペースを無駄なく利用できる点だと言えるでしょう。
またフリーロケーションでは、固定ロケーションのように新商品の入荷に応じて倉庫のレイアウトを変更する必要がありません。そのため、倉庫レイアウトの変更時間なども節約することが可能です。
逆にデメリットとしては、商品が様々な保管場所に格納されているので、ピッキング作業の効率が落ちるということが挙げられます。
様々なスペースに違う商品が格納されているため、保管場所の記録は必須なるということを覚えておきましょう。
メリットデメリットを踏まえて、「新商品の入れ替わりが激しい倉庫」「在庫数の変動が激しい倉庫」「大きい商品を取り扱っている倉庫」がフリーロケーションを導入するのにおすすめと言えるでしょう。
倉庫内の整理整頓を徹底する
物流現場でのピッキング作業を効率化するためには、倉庫内の整理整頓を徹底することも大切です。
というのも、倉庫内で段ボールやオリオンが乱雑に置かれていると、作業員は転んで怪我をしてしまったり、歩きにくくなる状況になってしまうから。また保管棚の商品が整理整頓されず、バラバラの向きで置かれていると、商品を取り出しづらかったり、どの商品がどの棚に格納されているのか一目で判断することができなくなってしまうからです。
倉庫内では以下のように5Sを徹底することで、効率的なピッキング作業をすることができますよ。
・整理…必要ないものは処分する
・整頓…保管棚や商品の保管場所を整える
・清掃…倉庫内のゴミや商品に付着した埃を取り除く
・清潔…きれいな状態の倉庫を維持する
・躾…整理整頓、清掃清潔を徹底するよう従業員に認識させる
作業をマニュアル化する
物流現場でのピッキング作業を効率化するためには、作業をマニュアル化することも必要です。
なぜなら、作業をマニュアル化すれば、例え新しく入ったピッキング作業員であっても、長年働いているスタッフ同様のスピードで作業を行うことができるからです。
また作業内容をマニュアル化する際には、作業スタッフが簡単にピッキングをできるようピッキングリストにも工夫することがおすすめです。次から詳しく見ていきましょう。
◆ピッキングリストを見やすくする
ピッキングの作業が滞ってしまったり、ミスが起きてしまう原因の1つとして、ピッキングリストの内容が確認しずらいという点が挙げられます。
例えばピッキング作業者からすると、ピッキングリストでは、品番や品数、倉庫内のロケーションの場所など最低限の内容が確認できれば問題ありません。しかし、それ以外の情報として、商品の値段や受注日程などピッキングには関係ない内容が記載されているために、作業者が見間違えてピッキングのミスを起こしてしまうという場合があります。
そのため、物流のピッキング作業を効率化するためにもピッキングリストに記載される情報は最低限になるよう修正するのがおすすめです。
システムを導入する
物流現場でのピッキング作業を効率化するならシステムを導入するのもおすすめです。
物流現場でシステムを導入すれば、自動で在庫管理することや、ピッキングリストなどを使わなくても作業をすることができ、アナログで作業するよりも断然効率がいいです。
現在、物流現場で利用されているシステムは「倉庫管理システム」や「デジタルピッキングシステム」、「RFID」などが主流です。
詳しくは物流で使われるピッキングシステム3選にてご紹介していきます。
代行会社に依頼する
物流現場でピッキング作業を効率化するなら、物流代行会社に依頼するというのも1つの手です。
というのも、物流代行会社では物流に関するノウハウをもったプロがピッキングを行いますし、倉庫も効率化のために完全整備されています。また効率化のためのシステムは必ず挿入されているので、無駄なくピッキング作業をしてもらうことが可能です。
もちろん代行費用は発生しますが、その分自社内に物流倉庫をつくる設備費用や人材の採用費、人件費も発生しないので、総合的に考えると、代行会社に委託した方が効率的に、無駄な費用をかけることなく商品の物流を行える場合もあります。
物流で効率化できるピッキングシステム3選
ここでは物流で効率化できるピッキングシステムを紹介していきます。
・倉庫管理システム
・デジタルピッキングシステム
・RFID
それぞれ見ていきましょう。
倉庫管理システム
物流で効率化できる1つ目のシステムは、倉庫管理システムです。
倉庫管理システムでは、バーコードとスキャナーを使い、倉庫内の在庫を管理していきます。
具体的には、
・入庫スケジュールの管理
・在庫状況の確認
・ピッキングリストの作成
・出荷管理
といったことを行うことが可能です。
倉庫管理システムを使えば、在庫管理を手動で行う必要がなくなるので、作業の効率化はもちろん、ヒューマンエラーをなくすことも可能になります。
◆おすすめの倉庫管理システムは?
ここでは特におすすめの倉庫管理システムを3つ紹介していきます。
mylogi
mylogiは、アートトレーディング株式会社が提供する倉庫管理システム。
一番の強みは、EC事業者向けに特化したサービスだということ。通常の倉庫管理システムの機能にだけではなく、ECサイトの注文が入った時に行う受注業務の管理機能も搭載されているので、ECサイトの在庫情報と、倉庫内の在庫情報を瞬時に連携することができるという強みがあります。
またmylogiには、「複数倉庫管理」という機能も搭載されているので、自社で倉庫を複数持っている場合やAmazonフルフィルメントセンターなどに商品の在庫をアづけ散る場合でも、一括して在庫の管理をすることもできますよ。
mylogi公式サイトへ
Air Logi
Air Logiは、(株)コマースロボティクスが提供する倉庫管理システム。
一番の強みは、工事・購入物ゼロで利用開始できるところ。ネット環境不要のハンディーも、レンタルで利用開始することができます。
また、物流のプロである担当者が導入までを徹底的にサポートしてくれるので、初めて倉庫にシステムを導入するという場合でも安心してお願いすることができますよ。
zaico
zaicoは、株式会社ZAICOが提供する倉庫管理システム。
一番のおすすめポイントは、なんと無料から導入することができるところ。
またバーコードスキャンに利用するスキャナーはスマホで利用することもできますし、操作画面も直感的に操作できる仕様になっているので、初心者が利用するのも簡単です。
そのため「ためしに倉庫管理システムを導入してみたい」という企業さんにおすすめの倉庫管理システムだと言えるでしょう。
デジタルピッキングシステム
デジタルピッキングシステムとは、デジタルの表示器を使ったピッキングの作業支援システムです。
デジタルピッキングシステムの使い方としては、商品の保管棚にデジタル表示器を設置し、作業者はそのデジタル表示器の設置された棚のランプが光ったところへ行き、デジタル表示器の指示に従って商品をピッキングしていくという流れになります。
デジタルピッキングシステムを使えば、商品の位置を的確に指示してもらうことができるので、作業者のピッキングミスは減りますし、作業スピードも大幅にアップすると言えるでしょう。
しかしデジタルピッキングシステムには、導入に倉庫管理システムなどよりも多額の費用が掛かってしまうといったデメリットもあるということを覚えておきましょう。
RFID
RFIDとは、電波を用いて商品の在庫情報を非接触で読み書きできるシステムのこと。
具体的に言うと、商品保管の棚に事前にRFIDタグを設置しておくことで、作業者が商品を取る際にRFIDが正しい商品かをチェックするというシステムになります。
従来の倉庫管理システムで利用するハンディスキャナーなどを使う必要がないので、作業効率がUPするシステムだと言えるでしょう。
しかしデジタルピッキングシステムと同様、導入には高額の費用が掛かってしまうという点がネックになることを頭に入れておいてください。
物流のピッキング作業の課題とは?
ここでは物流のピッキング作業の課題を見ていきましょう。
・ピッキングに時間がかかる
・ピッキングミスが起きてしまう
・在庫情報を管理しづらい
それぞれ解説していきます。
ピッキングに時間がかかる
まず物流のピッキング作業の課題として、まずピッキングに時間がかかるということが挙げられます。
例えば以下のような状況の場合、ピッキング作業に時間がかかってしまうと言えるでしょう。
・ピッキングリストに書いてある商品の保管場所がわかりづらい
・商品の格納場所が間違っている
このようなことが起きないよう、ピッキングリストは作業者にとってわかりやすく簡潔に、入荷時に商品の格納場所を間違えないような対策を取ることが重要です。
ピッキングミスが起きてしまう
また物流のピッキングの課題として、ピッキングミスが起きてしまうということも挙げられます。
なぜならピッキング作業は、人がすべて目視で行うものだから。例えば、以下のような状況の時にヒューマンエラーのピッキングミスが起きてしまいます。
・同じ棚に種類別の同じ商品を格納していて、ピッキング時に間違える
・注文された商品の数を間違えてピッキングしてしまう
そのため、「システムを使いヒューマンエラーをなくす」「ピッキング後の検品作業では、1人だけではなく2人以上でダブルチェックなどを行う」といった対策を取るのがおすすめです。
在庫情報を管理しづらい
最後に物流のピッキング作業の課題として、在庫情報を管理しづらいという点が挙げられます。
これは倉庫管理システムなどを導入していない場合の倉庫だけの話になりますが、ピッキング作業を行った後には、在庫管理表に出荷した分の在庫を減らして、記録しておく必要があります。
これを全て手作業で行う場合、在庫記録に間違いが出てきて、最悪の場合、在庫不足になってしまったり、過剰在庫で商品の品質を劣化させる原因にもなってしまいます。
そのためこの課題を解決するためには、倉庫管理システムなどの効率化促進システムを導入するのがおすすめですよ。
まとめ
物流のピッキング作業とは、出荷依頼のあった商品を倉庫から集めてくる作業のこと。
ピッキング作業には、1回の出荷オーダーのたびに商品をピッキングする「シングルピッキング」と、出荷オーダーの合った商品をまとめて取り出して後で仕分け作業を行う「トータルピッキング」があるので、必要に応じて使い分けていきます。
また物流のピッキング作業を効率化するためには、以下の方法があるので、頭に入れておきましょう。
・ロケーション管理を行う
・倉庫内の整理整頓を徹底する
・作業をマニュアル化する
・システムを導入する
・代行会社に依頼する
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