物流の梱包とは?作業改善のコツや必要な資材などまとめて解説!
物流の梱包作業とは?作業改善のコツは?と気になっていませんか。
物流の梱包作業とは、商品の配送中に傷がつかないよう、段ボールなどの資材で包装する作業のことです。
物流現場での梱包作業の手順としては
1.梱包資材を選択する
2.緩衝材の準備をする
3.商品と緩衝材を詰める
4.段ボールにテープを頑丈に貼る
といった段階を踏んで梱包作業を行っていきます。
この記事では他にも「物流の梱包作業改善のコツ」や「梱包で使われる資材の種類」など、物流の梱包作業についての様々な情報を紹介しています。ぜひ参考にしてくださいね。
目次
01.物流の梱包作業とは?02.物流の梱包作業の手順03.物流の梱包作業改善のコツとは?04.物流の梱包で使われる資材の種類は?05.物流の「梱包」と「包装」の違い06.物流の梱包作業の重要性まとめ
物流の梱包作業とは?
物流の梱包作業とは、お客様に発送する商品を傷つけないように、段ボールや緩衝材で包装する業務のこと。
商品や必要な温度に合わせた最適な梱包資材を使い、お客様の元へ商品が最高の状態で届くように梱包していく業務のことです。
物流の梱包作業の手順
ここでは、物流の梱包作業の手順を解説していきます。
1.梱包資材を選択する
2.緩衝材の準備をする
3.商品と緩衝材を詰める
4.段ボールにテープを頑丈に貼る
順を追って見ていきましょう。
梱包資材を選択する
まずは商品を梱包する資材を選択していきます。
選ぶ梱包資材は、
・商品のサイズ
・壊れやすさ
にあわせて最適なものを選びましょう。
後ほど物流の梱包で使われる資材の種類は?でも、紹介しますが、梱包資材は様々な種類があります。
例えば、大きなサイズの商品であれば段ボールに梱包するのが最適です。また、そこまでサイズが大きくないようなサプリメントなどであれば、メール便ケースなどに梱包して、コストを削減するのがベストでしょう。
緩衝材の準備をする
梱包材を選んだら、次に緩衝材の準備をしましょう。
緩衝材も商品のサイズや壊れやすさ、特性に応じて適切なものを選ぶ必要があります。
例えば、家具や家電などの場合は、できるだけ強度が強く固定できる緩衝材が向いているので、発泡スチロールなどを専用の形に加工したものが良いでしょう。
また食器類などの場合は、そのもの自体を包むことができる緩衝材を使いましょう。それに加えて箱の隙間を埋められるようなエアークッションを選ぶのがおすすめです。
◆緩衝材を選ぶ時のポイントは?
緩衝材を選ぶ時は、以下のポイントもあわせて確認してから選ぶようにしましょう。
・荷物の形に合わせやすいもの
・コストが適切で入手しやすいもの
まず緩衝材は、壊れやすさや特性にあわせたものを選ぶ必要がありますが、それに加えて荷物の形状にあわせられる素材のものを選ぶ必要があります。
そして、導入する時のコストも適切か、安定的に入手することができるかという点も踏まえて、選ぶようにしましょう。
商品と緩衝材を詰める
緩衝材の準備ができたら、梱包資材に商品と緩衝材を詰めていきます。
割れ物や壊れやすいものを梱包する場合は、箱の中に隙間が生まれないようにしっかりと緩衝材を詰めていきましょう。
ただし、食器などより壊れやすいものを梱包する際、緩衝材をぎちぎちに詰めすぎてしまうと、商品が圧迫されて破損してしまう可能性があります。詰めすぎないよう加減を調節するようにしてください。
◆割れ物は緩衝材で1つ1つ包む
また割れ物を梱包する際は、1つ1つの商品をそれぞれ緩衝材で包むようにしてください。
なお、複数のものを一気に包む場合は、ラップなどで商品同士を密着させてから、緩衝材で包装するのがおすすめです。
段ボールにテープを頑丈に貼る
商品と緩衝材の詰め込み作業が終わったら、段ボールにテープを頑丈に貼っていきましょう。
ガムテープの貼り方には複数の種類があるので、荷物の重量に合わせて適切な貼り方を選択しましょう。
ここからガムテープの貼り方を複数紹介していきます。
◆I貼り
段ボールにガムテープを貼る際、一番スタンダートな貼り方が「I貼り」になります。
「I貼り」とは、下記図のように、段ボールの口をまっすぐ1本のガムテープで止めていく方法のこと。
簡易的な貼り方になるので、軽い荷物を梱包する時に最適です。
◆十字貼り
「十字貼り」とは、下記図のように段ボールの開き口に対して十字にガムテープをはる方法のことです。
十字貼りは、段ボールの底を補強する貼り方で一番スタンダードです。耐荷重は、約10~15kgということを覚えておきましょう。
◆H貼り
「H貼り」とは、下記のように段ボールの開口とその両側をガムテープで止める方法。
段ボールの隙間を埋めるような貼り方になるので、箱の形が崩れにくくなるのが特徴です。
◆キ貼り
「キ貼り」とは、下記図のように段ボールの閉じ口を止めた上に、直角にテープを2本止めて固定する方法のことです。
キ貼りは、十字貼りよりも段ボールの強度をあげたい時におすすめの貼り方です。例えば、本や雑誌など重量の重いものを大量に梱包する際に利用するようにしましょう。
物流の梱包作業改善のコツとは?
物流の梱包作業を改善するコツは、以下の5つになります。
1.梱包資材をスムーズに選べるようにする
2.梱包商品に合わせてテープの貼り方を変える
3.作業のしやすい梱包台を使う
4.梱包台の整理整頓を徹底する
5.機械を導入する
それぞれ見ていきましょう。
梱包資材をスムーズに選べるようにする
物流の梱包作業を改善するコツとして、作業スタッフが梱包資材をスムーズに選べるようにすることが必要と言えるでしょう。
というのも、梱包作業では包装する商品によって適切な梱包資材を選ぶ必要があるから。
例えば大きい商品の場合は、段ボールへの梱包で良いですが、アクセサリーやサプリメントなど小さい商品は、宅配袋や厚紙ケースへの梱包で十分な場合もあります。また、商品によってはメール便などで、発送する場合もあるでしょう。
そのため、作業スタッフが瞬時に商品をどの資材に入れれば良いかわかるよう、管理者はマニュアルを作成しておくのがおすすめです。
梱包商品に合わせてテープの貼り方を変える
物流の梱包作業を改善するには、商品に合わせたテープの貼り方を採用するということも重要です。
というのも、前述した通り、段ボールのガムテープは商品の重量に合わせて、様々な貼り方があるから。
【I貼り】段ボールの口にガムテープを1本貼るやり方
【H貼り】段ボールの口とその両側をガムテープで張り付けるやり方
【十字貼り】段ボールの口に対して十字にガムテープを張り付けるやり方
【キ貼り】段ボールの口に対して直角にテープを2本張り付けるやり方
例えば、重量のない商品を梱包するのにH貼りや十字貼りを採用してしまうと、テープを張り付ける時間やテープのコストが無駄にかかってしまいます。
必要な商品の重量に合わせて、最小限で済むテープの貼り方を採用すれば、梱包作業の効率化を図ることができるでしょう。
作業のしやすい梱包台を使う
物流の梱包作業を改善するには、作業のしやすい梱包台を使うということも重要です。
作業のしやすい梱包台の特徴としては、
・作業スタッフの身長に合ったサイズである
・必要な資材が手に届くところに置いてある
・作業スペースが広すぎず丁度いい
といった特徴が挙げられます。
自社倉庫で利用している作業台がこのような状態でない場合は、作業台自体を新調したり、資材置き場の配置を変更するなど工夫をし、梱包作業の効率化を図るようにしましょう。
梱包台の整理整頓を徹底する
物流の梱包作業を改善するために、梱包台の整理整頓を徹底するようにしましょう。
なぜなら、散らかった梱包台で作業をしてしまうと、梱包に必要な道具がどこにあるかわからなかったり、必要なものと異なる梱包資材で包装してしまうリスクが出てくるから。梱包台が散らかっていると、スタッフが無駄な動きをしなければならない上に、正しい方法で梱包作業をできなくなるリスクがあるからです。
そのため、梱包台を利用する作業スタッフには、「使ったものはきちんと使った場所へ戻す」「散らかしたら必ず片付ける」ということを徹底するように指導しましょう。
機械を導入する
物流の梱包作業を改善するために、以下のような機械を導入するのもおすすめです。
▼梱包作業の効率化におすすめの機械
・製函機→シート状の段ボールを開き、側面に自動でガムテープを貼る機械
・封函機→箱詰めした後の段ボールにガムテープを貼る機械
・シュリンク梱包機→フィルムで包まれた被梱包物を加熱して、商品の形に合わせて自動で梱包する機械
・バブルシート包装機→緩衝材(プチプチ)を使い商品を自動で個包装する機械
上記のような機械を導入すれば、作業員が担当する作業の工数が減るため梱包作業の効率化を行うことが可能です。
物流の梱包で使われる資材の種類は?
ここでは物流の梱包で使われる資材について詳しく見ていきましょう。
・段ボール
・メール便ケース
・厚紙ケース
・宅配袋
・エアーキャップ
・ミラーマット
・緩衝材
それぞれ見ていきましょう。
段ボール
段ボールは、梱包資材の中で最も利用されている箱のことです。
箱型形状となっているので、商品をしっかりと保護して配送することが可能になります。
また段ボールには
・A式みかん箱タイプ
・ヤッコ型
・仕切り
・N式
・底地獄型
・ワンタッチ型
などさまざまな形状のものが用意されているので、梱包する商品に合わせて最適なものを選ぶことが可能です。
メール便ケース
メール便ケースとは、最大A4サイズの軽くて小さな荷物を届けるのに最適な箱のこと。
例えば、アクセサリーやサプリメント、本、雑貨などを配送するのにおすすめと言えるでしょう。
なお、メール便発送サービスは
・日本郵便
・ヤマト運輸
・佐川急便
の3社が提供しています。通常の段ボールでの配送でできる日付指定配送はできませんが、その代わりに安価で配送ができるメリットがあるということを覚えておきましょう。
厚紙ケース
厚紙ケースは、厚紙を使用したメール便発送用の封筒・ケースのこと。
DVDやCD、本など、厚みが薄い商品の発送に向いています。
メール便ケースよりも安価で用意が可能。現状だと、日本郵便ではレターパックなどを提供しています。
宅配袋
宅配袋は、袋の形状をした発送用外装資材です。
他の箱型資材と比べると、重量に対する強度は弱いというデメリットはあるものの、資材単価が安いというメリットがあります。
そのため、洋服や、軽めの雑貨など、壊れにくくて軽い商品の梱包に向いている資材だと言えるでしょう。
エアーキャップ
エアーキャップとは、空気の詰まった直径1センチほどの突起が多くついているビニール素材の緩衝材のことです。
別名プチプチとも言います。(下記参照)
エアーキャップは、割れ物や精密部品を個別に梱包するのにおすすめです。また丸めて段ボールの隙間に詰めるなどして利用することもできます。
サイズを自由自在にカットすることができるので、汎用性の高い緩衝材だと言えるでしょう。
ミラーマット
ミラーマットとは、発泡ポリエチレン製の緩衝性に優れたシートのことです。(下記参照)
エアキャップと異なり、全体的に均一な厚みとなっているため、食器やガラス用品などの梱包に向いていると言えるでしょう。
また見た目も白色となっており、高級感があるため、ギフト商品の緩衝材としても利用されることがあります。
緩衝材
緩衝材とは、段ボールの隙間を埋めるために用いられる梱包資材のことを言います。
商品によって、紙製のものや発泡スチロール素材のもの、空気でビニールを膨らませているものなど、様々な種類の緩衝材があるということを覚えておきましょう。
物流の「梱包」と「包装」の違い
ここでは物流の「梱包」と「包装」の違いについて紹介していきます。
梱包とは
まず梱包とは、配送を目的として商品を包むことを指します。
配送中の商品が破損してしまわないよう、包装資材を使っていく作業ということです。
包装とは
それに対して、包装とは、商品を包むこと全般のことを指す言葉になります。
そのため、配送する予定でない商品をプレゼントラッピングするときなどにも「包装」という言葉は使われます。
物流の梱包作業の重要性
なぜ物流現場で梱包作業は重要とされているのでしょうか?
その理由は、以下になります。
・顧客満足度向上につながる
・配送効率が上がる
それぞれ見ていきましょう。
顧客満足度向上につながる
物流現場で梱包作業が重要とされている理由の1つとして「梱包作業の丁寧さが顧客満足度向上につながる」ということが挙げられます。
というのも、もし梱包が雑なまま配送をしてしまうと、お客様の手元に商品が届くまでの間に商品が破損してしまう可能性もあるから。丁寧な梱包で商品を発送すれば、お客様からしても「このお店で商品を安心して購入できる」という印象が付き、顧客満足度が上昇します。
結果として、再度商品を購入してもらうという行動にもつながるため、物流の梱包作業はとても重要な役割となっているのです。
配送効率が上がる
物流現場で梱包作業が重要とされている2つ目の理由が「配送効率が上がる」ということにつながるという点です。
どういうことかというと、もしお客様から注文のあった商品を梱包しないでそのまま、業者に配送を依頼してしまうと、トラックやコンテナに積んで運ぶことができません。
配送効率を上げるためにも、しっかりとした梱包資材に梱包することは大切ということを覚えておきましょう。
まとめ
物流の梱包作業とは、お客様に発送する商品を傷つけないように、段ボールや緩衝材で包装する業務のことです。
物流現場で、梱包作業の効率化改善を行いたい場合、以下の方法を試してみるのがおすすめでしょう。
1.梱包資材をスムーズに選べるようにする
2.梱包商品に合わせてテープの貼り方を変える
3.作業のしやすい梱包台を使う
4.梱包台の整理整頓を徹底する
5.機械を導入する
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